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｢ばなさんは奥手そうだよね｣
いつかの時に嶺亜さんに言われた。ぐうの音も出なかった。小学校の頃にこっ酷く振られてから、人に好意を伝えることが自分の中で難しくなっている。
好きでも伝えられない、諦めてしまう。いつかそのトラウマを乗り越えたいぐらい好きな人が現れたら、その時考えよう。そう思いながら過ごしていた。
｢矢花何ニヤニヤしてるん｣
｢え？いや、俺ニヤニヤしてた？｣
｢してた｣
遂にその時が来たらしい。
大光を家に送り届けることを口実に小瀬さんと同じタクシーに乗った。家に着いて暫くすると小瀬さんが家に帰ると切り出したので今しかない、と思って連絡先の交換をお願いした。
小瀬さんに恋人が居ないことは皆で飲んだ時に分かったので、よっぽど嫌われていない限り交換してくれるだろう。彼女の優しい部分に漬け込んでしまった。｢是非！｣と言葉と共に携帯を取りだしてくれて、その返答の速さに俺がテンパったぐらい。
それから毎日のようにLINEしている。2人とも返信頻度が多い訳じゃないし、それが楽でもある。普段携帯を見る頻度が少ないこともあって、それはそれはメンバーに怪しまれた。もちろん小瀬さんとLINEを交換したことは言っていない。
それなのに嶺亜くんと大光には
｢小瀬さんでしょ？｣
｢Aと上手くいってんの？｣
なんてからかわれた。上手くいってんのってなんなんだ。それなりに躱したら｢付き合ったら絶対俺のとこ1番に来いよ｣と大光に釘を刺された。付き合える可能性今のところゼロに近いんだけど。
お風呂上がり、ベッドの上でLINEを開ける。可愛いアイコン。同じぐらい小瀬さんも可愛い。
｢女の子って何が好きなんだろう｣
妹に聞いたら｢人それぞれだよ｣という言葉を頂いてしまった。どういう話をしたら笑ってくれるだろう。『花笑み』とはよく言ったもので、彼女は花を形容したような女性だと思う。綻ぶ笑顔が心の中を掻き乱し、一日頭の中から離れなくなる。
｢友達｣のコミュニティの1人になりたくない。小瀬さんの特別で居たい。日を追う事にそんな思いが渦巻く。無関心は嫌だ、それならいっその事酷く嫌われたら良いのかもしれないとさえ考えてしまう。
どうにもまとまらない気持ちに蓋をするように瞼を閉じる。俺が変わらないと。彼女に自信を持って好きだ、と伝えられるように。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
