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どれぐらい走っていただろう。もうとっくにおじさんは見えなくなっていて、代わりに私の手を掴んだ彼と二人きりになってしまった。
「ゲェ、はぁッ、だ、大丈夫でした！？あのおじさんに変な事されてるんじゃないかと思ったら俺、勝手に･･････！」
慌てふためく目の前の人は、自分の息すら整っていないのに私の体の心配をしてくれていた。
「大丈夫です、助けてくれてありがとうございます。走らせてしまってすみません･･････」
「とんでもないです･･････！無事で何よりです」
鋭く光っていた瞳は棘がなくなって、優しい目付きに変わっている。慈愛の眼差し、とでも言えばいいだろうか。生温い視線が少し恥ずかしくて目線を下に向けた。
「そういえば僕こんな所まで走らせちゃって･･････！最寄り駅とか分かりますか？」
「大丈夫です！ここから家まで近いので帰れます。逆に大丈夫ですか？終電とか間に合わないんじゃ･･････」
ア゛、と喉が潰れた声が聞こえた。急いで時計を見ると時刻は0時半。ここからなら最寄り駅までギリギリの距離だ。
「ヤバいかもなぁ」
刹那。
困った様に笑って頭を掻くその姿が、笑顔がとても眩しく見えた。どうしてこの瞬間だったのかは分からない、けれど無意識に崩れたその表情が凄く素敵で。かっこよくて。
心臓がギューッと締め付けられた。
脳の電気信号が「この人、好き」に次々と変換されていく。好き、好き。
高校の頃辺りから忘れていたこの感情。
今なら、連絡先とか聞けるかもしれない。
「･･････ぁ、あの、もし良かったら連絡「すみません！僕もう行きます、こんな所で置いてけぼりにしてごめんなさい！気を付けてくださいね！！」あ、はい！！ありがとうございました！！」
「･･････ア゛ァ゛〜〜〜･･････」
お酒で足された最大限の勇気は見事に打ち消された。
急いでさっき来た道を引き返していく彼の背中を見送る。さよなら、私の久しぶりの恋心。男の人を見てこんなに簡単に惹かれる事なんて無かったのに。お酒のせいかしら。
「ウン、お酒のせいだよね！」
流石アルコールマジック、そりゃワンナイトも有り得ますわ。なんて一人ボヤきながらも、握られた手の感覚だけはずっと抜けきらずにいた。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
