逢瀬、日和見 ページ20
大学が早めに終わった。午後も元から暇だし、折角だからどっか遊びに行くのも良いかもなあ。スマホで検索を掛けてオシャレなカフェなどを調べてみるが、別に食べたいものがあるわけじゃない。服も先週友達と買い物に行って買ってしまった。だからお金もそこまで残ってない。
｢･･････帰るか｣
結局足は駅を目指していて、しかも早く帰って休みたくなってきた。近所のコンビニでアイスでも買って映画でも見ようかな。
＊
私の最寄り駅は快速が止まらない。それに普通電車に一本乗遅れたらその次は15分後。だから出来るだけ時間を見て家を出るんだけど、帰り道はそうもいかない。
改札を通ると上から人が降りてきていてまさか、と思った。急いで階段を駆け上がるが、電車は無慈悲にも私の目の前で行ってしまった。最悪、あと15分待たなきゃいけない。立ってるのも暑いし、待合室で涼もうと考えていたその時だった。背後から｢はあっ、はぁ･･････｣と聞こえた。聞き覚えのある声に思わず振り返る。
｢矢花くん･･････！？｣
｢あ、やっぱり･･････！｣
息を切らして登ってきたのは矢花くんだった。まさかこんな所で会えるとは。ベースの入ったバッグを背負っている矢花くんは今にも倒れそうだ。危なくないように手を引っ張って待合室の椅子に座ってもらった。
｢大丈夫ですか？これお水｣
｢あ、ありがとうございます･･････！お金！｣
｢気にしないでください、いつも大光運んでもらってるお礼です｣
冗談交じりに伝えれば、じゃあ･･････と矢花くんはお水を飲み始めた。喉仏綺麗･･････。ジロジロ見て変な奴だと思われたくなくて必死に目を逸らす。
｢そういえば、よく私って分かりましたね！｣
｢ああ、何となく後ろ姿が小瀬さんに似てるなって。そしたら急に階段ダッシュするから電車来るんだ！と思って俺も必死に追い掛けて･･････乗れなかったですね｣
笑う矢花くんだけど、私は恥ずかしいの気持ちでいっぱいだった。まさか電車に必死な姿を見られていたなんて、次からはどんなに間に合いそうでも優雅にしていよう。
｢でも実際小瀬さんだったし、追い掛けて良かった｣
｢わ、私も矢花くんと久しぶりに会えて良かったです｣
矢花くんも普通電車に乗るようで、2人で電車が来るまでとりとめのない話をした。早めに終わった大学と、早く帰ろうと決めた自分に天才賞を与えたい。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
