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｢着きましたよ｣
｢ありがとうございます、大光降りるよ｣
｢うーん･･････｣
大光のカバンから鍵を取りだしてドアを開ける。大光のパパとママは今旅行に出掛けていると聞いている。たまにこうして大光が1人になる時に、矢花くんは家に呼ばれて自主練に付き合わされるとタクシーの中でボヤいていた。
｢腰が折れちゃうよ大光ちゃん･･････｣
｢大丈夫ですか？この！矢花くんから離れて！｣
玄関に着いた途端矢花くんは力尽きてしまい、2人とも床になだれ込む。大光が矢花くんに覆い被さるような形で寝転がっているので、ひっくり返して靴を脱がした。後は寝ているバカの両手を引っ張ってリビングまで連れて行っていたのでもう大丈夫だろう。
さて、無事に家に送り届けたし、私も後は自分の家に帰るだけ。洗面所で手を洗っている矢花くんに声を掛けると、彼は急いで手を拭いてリビングへと出てきた。
｢今日はありがとうございました、送り届けてもらっちゃって。あの時から矢花くんに助けて貰ってばっかり｣
｢全然！元々大光の家に泊まるつもりだったんで｣
｢じゃあ明日はさっき言ってた自主練？｣
｢ビンゴ！多分お昼ぐらいからじゃないですかね、この感じだと｣
｢じゃあいっぱい寝れますね！｣
｢んふっ、確かに！そうですね！｣
また笑ってる。タクシーの中でも何度か私の発言に笑って｢小瀬さんツボかもしれない｣と呟いていた。生きているだけで好きな人のツボにハマれるだなんて、幸せ以外の何物でもない。
｢じゃあ私はそろそろお暇しようかな｣
｢そっか･･････そうですよね｣
玄関まで行くと後ろからこそこそと矢花くんが追いかけてくる。お見送りをしてくれるらしい。表情がさっきとは違って少し元気が無さそうに見えるのは気のせいかな。
｢お疲れ様でした、明日も無理しないでゆっくり休んで下さいね｣
｢小瀬さんこそ、ありがとうございました。おやすみなさい｣
｢おやすみなさい｣
今日は本当に充実した1日だった。一目惚れした人に再会できて、2人で話す機会もあった。奇跡のような出来事をまた友達に共有しよう。そんな風に考えながら玄関を開けようとすると、｢〜〜〜ッ、小瀬さん！｣と不意に矢花くんに呼び止められた。
｢どうしました？｣
振り返ると、電気がついていなくて顔がよく見えないが、突っ立っている矢花くん。数秒の沈黙。
｢連絡先、交換しませんか｣
彼は蚊の鳴くような声で呟いた。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
