ずっと、もっと。【2】 (ページ10)

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「…元太くん」

抱きしめられたまま、名前を呼ぶと
後頭部をそっと包み込まれる

「なに？」

「私…私、ちゃんと伝えようと思う」

「海人さんに？」

「うん。
元太くんがこんなに向き合ってくれているのに
私すごく失礼だし、最低だもん。」

そっと元太くんから離れ、まっすぐに見つめると
なぜか元太くんが少しだけ悲しそうに笑う

「そっか。…もし、もしね。
ダメだった時は俺と付き合って欲しいです。
ちょっとずつでいいから好きになって欲しい」

こんな都合の良い選択、していいのだろうかと

多分私の瞳には悩みの色で揺らいでいて、

変なところで察しの良い元太くんが
そっと私の頬を撫でる

「…そんな顔しないでください。
俺がして欲しくて言ってることだから。お願い。」

「とりあえず、ちゃんと伝えてくる。
もう逃げない、言い訳したくない」

じゃあこれが最後かもなー！と、
私の手を取りホテルへと歩き始める

最後だなんて、

その言葉を言う資格には私にはないと

ただ、手を引かれながら一緒に足を進めた