ずっと、もっと。【2】 (ページ21)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:128,294 hit

Last ページ21

・

「ちょっとうみ！ダラダラしてたら終わらないよ？」

「もう無理～疲れた～飽きた～」

付き合い始めて3年目のタイミングで
2人で住もうという話になり引っ越してきた

段ボールの山に囲まれて1時間。

早くもうみが白旗をあげる

いちいち構っていたら日が暮れるので

特に気にも留めず作業を進める

「A！来て！まじ懐かしいんだけど」

呼ばれた部屋へ行くとアルバムを広げて
ニコニコとしているうみが座っていた

「…片付けは？」

「してるって！ね、一瞬見て！」

そうやって見せられたページは、

修学旅行でのツーショット

「この時からさ
ずっと、お互い好きだったんだよな」

思い出を懐古しているのだろうか、
しみじみと噛み締めるようにうみが呟く

「…うん、でも今の方が多分これから先
もっと、好きになると思うけどね？」

そう言ってうみに寄り添い見つめ合う

「…おいで」

広げられた腕の中に収まると、
新しく2人の生活が始まる部屋に差し込む

柔らかな木漏れ日の中でそっと唇が重なった