ずっと、もっと。【2】 (ページ16)

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「1回逃げて、だけどうみのそばにいたくて
うみにとって居心地のいい親友を演じてた
ずるくて、元太くんのことも傷つけてるから
好きって言う資格ないと思ったけど、」

…ああ、いま私の顔、涙でぐちゃぐちゃなんだろうな

せっかくわざわざシャワー浴びてメイクもしたのに

なんて頭の片隅で考えながら涙を拭う

「でも逃げちゃダメだと思って。
一度、うみのこと傷つけておいてまた好きに
なってくれるなんて都合のいいこと思ってないけど、
でも私はやっぱりうみのことが好、」

「もう分かった。分かったから」

2度目の＂好き＂は遮られ、

気付けば視界はうみのトレーナーでいっぱいになる

「うみ、苦し」

「…ちょっとくらい苦しい思いして。
高校の時悲しかった、俺もある意味逃げた。
ちゃんと諦めたと思ってたのに無意識にざっと
好きでいさせてくるから困ったよ」

そう言って抱きしめる力が強くなった