ずっと、もっと。【2】 (ページ19)

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「混じらないよ」

確かあの日もこんなふうに答えたっけ。

「幸せそうですね、よかったです」

そう言って
私と同じようにうみたちを見つめる元太くんの横顔は

多分、あの日の私と同じ顔をしていた

その顔をさせてしまっているのは、
他でもない私なんだけれども。

「…元太くんに背中を押してもらったから
ちゃんと伝えられた。あの日からずっと、
私が辛い時にそばにいてくれてありがとう」

テーブルにつきそうなくらい頭を下げると、
何も言わずに、そっと頭を撫でられる

「あーあ。
あの日みたいに抜けよ？とか言えないのか」

てか全然酔ってなくないですか？
酔ったAさん超可愛いのに～なんて

あっけらかんという元太くんに拍子抜けする

だけど多分、いや絶対。

これは元太くんなりの優しさだ。

「…じゃあ、飲んじゃおっかな」

そう言ってジョッキを持った直後

「可愛いとこを見せようとすんな、馬鹿」

ひょいとジョッキを奪われ見上げると

酔っているのか目がとろんとしたうみが

不貞腐れた顔をして立っていた