ウワキ症。

浮気8 ページ10

__雪夜__





乱歩さんやセンセに仕事は大体教えてもらった
まだまだ、社員さんはいるらしいけど...。
今日は会えないらしいので、帰る事にした

「ナオちゃん、1年間付き合ってくれてありがとう
こんな僕だけど、これからもよろしくね。」
「雪夜ッ...嬉しいですわ！ありがとうございます！」

帰り際に、ナオちゃんへとプレゼントを渡す
結局、ナオちゃんとは別れずにこのまま行くだろう
それもまた、僕がクズだからだ

「じゃあ、また明日」

慣れた道を歩いて行く
今日は、日曜日というだけで人が多い
夕方だから、帰り人が多いのかな
そんな人混みの中に目立つ金色の髪
外国人かな？お人形さんみたい
ジッと見つめていると、その女の子と目が合った

「！？」

その子は僕の方へと走って来る

「ねぇ！私と一緒に来て！リンタロウが...」

顔を真っ青にして肩で息をしている彼女
良く見ると薄っすらと額に汗をかいている
もしかしたら、人が倒れているのかもしれない
でも、周りの人は知らんぷり

「わかった、僕にその人の所へ案内して」

彼女に案内されたのは、少し暗い人通りの少ない道
そこに1人、苦しそうに胸を押さえて倒れている男性
この子のお父さんかな？瞳が似てる

「大丈夫ですか？動けますか？」
「あ、あぁ...すまないね、動悸が...してね」
「救急車呼びましょうか？」
「いや、救急車は呼ばないでくれ」
「じゃあ、少し僕に掴まって下さい。
僕の家近いので、そこでゆっくり休んで下さい」
「ッ...すまないね」

心配そうな瞳で僕を見つめる彼女
安心させるように頭を撫でて、彼女と手を繋ぎ家へ向かう
母さんに何も言ってないけど、大丈夫かな？
けど、この人を放っておく事は出来ないし...。
事情を説明すれば、大丈夫だよね



早く家に帰らないと...。

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