検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:17,041 hit

浮気2 ページ4

__如月__





青い空に輝いた太陽が僕を照らす
春の風が僕の頬を撫でる
今日、何度目かわからない溜息が出る
ナオちゃんとお付き合いして1年が経つ

「...あれ?センセ?」

僕の目の前を歩く綺麗な金髪
クリーム色のスーツに黒のワイシャツに赤いりぼん
銀フレームの眼鏡に緑の"理想"と書かれた予定表
そんなの持ち歩く人なんてセンセしかいない

「せーんせっ」
「なンだ...ッて、雪?」
「やっぱりセンセだ」

鋭い眼光を僕に一瞬だけ向けた
しかし、僕だと理解すればその瞳は驚いた色に変わる
センセはもっと愛想良くすればモテるのに...

「ここで何をしている?」
「彼女と待ち合わせですよ」
「...そうか」
「センセはお仕事?」
「あぁ、今厄介な案件が来ていてな」
「そっか、無理したらダメだよ」
「ありがとな、雪」

ふわりと笑ったセンセに少しだけドキッとする
そんな胸の高鳴りすら汚いンだ
気持ちが悪い、こんな感情捨ててしまえたなら

「彼女とは____」
「雪夜!」
「あ、ナオちゃん」
「谷崎妹?」
「国木田さん?奇遇ですわね、お会いするなんて」

ナオちゃんとセンセの雰囲気が変わる
さっきまで、穏やかな雰囲気だったのに
今では殺伐とした雰囲気になっている

「お前だったのか、雪の彼女は」
「えぇそうですけれど、何か問題でもおありで?」
「な、ナオちゃん?センセ?」
「「黙れ」」
「は、はひッ!!」

自分でも情けない声が出たと思う
世に言う、修羅場とはこんな事を言うのだろうか

「2人共、そこまでにして下さいよ」
「ひッ...!?」

後ろから引き寄せられるように抱きつかれる
それだけで、ゾワゾワと鳥肌が立つ
耳元で囁くような甘い甘い声に冷や汗が出る
横目で彼をチラリと見れば、嬉しそうに笑っている

「お兄様...お兄様でも雪夜は渡しませんわ!」
「谷崎、今すぐ離れろ」
「ふふっごめんね、雪夜"君"」

気持ちが悪い
いつも"君"づけで呼ばないのに
誰かがいる前では僕を義理弟として見る
その瞳に孕む熱を隠せないまま
僕を狙ったギラギラした瞳でニタリと笑って見るんだ

「だ、大丈夫...です...」

首に咲く、紅い華が疼くようにズグリと痛む気がした
思い出したくもない日々が思い起こされる
汚い行為をしたのだと、嫌でも思い知らされる

「雪夜、探偵社に参りましょう?」
「う、うん...」

何もかもを忘れられたらいいのに
早く、早くナオちゃんと別れられたらいいのに
確かにあった愛しさなんてもうどこにも見当たらない
彼女と別れられる筈なのに____



何故、僕は彼女を手放す事が出来ないんだろう

浮気3→←浮気1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
設定タグ:文スト , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒薔薇?(プロフ) - ベーコンレタス状態好きですわ〜♪頑張ってください! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
如月 雅(プロフ) - monomouseさん» ありがとうございます! (2018年6月5日 21時) (レス) id: 9b23bccf79 (このIDを非表示/違反報告)
monomouse - 続きが気になります!頑張ってください! (2018年6月4日 22時) (レス) id: 1435d9d822 (このIDを非表示/違反報告)
neo(プロフ) - クズすぎて…。新しい発想ですね!!更新頑張って下さい!! (2017年8月29日 22時) (レス) id: 04da3f8ed7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:如月 雅 | 作成日時:2018年6月4日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。