前世ぶりですね、帰ってください。【ωrωrd】 (ページ21)

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あいきゃんふらい。ページ21

『そんなイケメンで優しい笑顔に騙されるもんですかああああああああ！』

tn｢何言っとるん！？！｣

廊下中に私達の叫び声が響きわたる。あらあら、一般生徒の目が痛いわ。
見なさいよ。一般女子生徒Aさんを追いかける人気の副会長、通報案件よ。

『僕、お家帰るねええええええええ！！』

tn｢はあああああああああああああ！？｣

下駄箱に向かおうと必死に階段を駆け下りる。すると見覚えのあるプリントが足元にまぁ。

………それが前回階段でこけそうになった原因のプリントだと気づくが時は遅し。

ずるりと滑る足。傾く身体。あいきゃんふらーい(棒)
待てよ、このままだと前回みたいになって…

トンちゃんが思い出してしまう！！！

あまり思い出させたくない人の1人だ。それだけは避けたい！！
でも落ちていく身体は言うことを聞かず、

『う、あ…！』

tn｢っ！危ない！！｣

目をつむる。

ぼすっ、と何かに包まれる。あ、オワタ…。2人目は避けたかった…

tn｢だ、い先生…｣

へ？
目を開けるとそこには大先生の顔が。
ばり有能すぎる…！！すると目が合うとぺちと頬を叩かれる。

『わぎゃ、』

ut｢危ない事せんといて…もうあんな白くなった顔見たくないんや…｣

『あ…』

確かに、運が悪ければ死んでたかもしれない。
そう思うと今更だが鳥肌がたつ。

ut｢トンちも、女子を追いかけちゃあかんよ。｣

可哀想やで、とへらりと笑ったけど目の奥では静かに怒っている。

tn｢ｳｨｯｽ…(震え声)｣

ut｢そろそろ授業始まるで？二人とも行こかー。｣

スタスタと歩き始める大先生。ちょっと待て、

『いや、下ろせや！！』

tn｢ワイは何を見せられてるんや…｣

んー？と能天気そうな声が頭上から降ってくると足をするりと撫でられる。

『ひゃあ！！？』

え、何？セクハラ？セクハラだよな？よし処す。絶対処す。

ut｢走りすぎて足震えてるやん。｣

『あ、ほんとだ。』

ut｢こんなんで歩けるわけないやろ。また転ばれても困るしな。｣

『…ならしゃあないか、ん。頼むで。』

任されたでー！！といきなり走り出す大先生。
ちょ、落ちる落ちる！！てかお前そんな力あったんかい！？

『てか、この乙女ゲーみたいな姫抱きやめてくれん？』

ut｢肩車でもええんで、僕は。｣

『早く教室行こうか！！！』

tn｢…なんかあの2人の距離感おかしない？｣

何故かズクズクと痛む心に不思議に思いながら遠くなっていく
2人の背中を見ていた。