終焉まで、あと______ † ページ28
山姥切side
山姥切「キリがないな……だが、先ほどよりかは数は減ったか……」
Aの策が成功した、のか？
しかし、アイツは霊力を一度に使いすぎている。故のこの雨なのだろう。
俺がもっとしっかりして、アイツを支えてやらなければいけないと言うのに……俺は何をやっているんだっ……！！
山姥切は自分の手に血が滲むほど強く握りしめた。それほど、自分の不甲斐なさを悔やんで。
ふと、後ろに複数の敵の気配を感じた。
しかし、山姥切はあっという間に、その複数体を斬り伏せた。
すると、何かが屋根の上からふってきた。
いや、飛び降りてきたのだ。
何かは、風のように敵と敵との間を通り抜けながら、残っている敵を斬りふせて行く。
山姥切「A……」
「なーに、そんなしかめっ面してんの？」
山姥切「……無茶し過ぎだ。」
「そう？まだまだピンピンしてるよ？」
Aはほれほれ〜、なんて言いながらニコニコしながら腕を振ったり、回って見せたりする。
山姥切「じゃあ、この雨はなんだ？」
「……あー」
Aは俺から目をそらし、血の雨が降る空を見た。
……あ、これは敵が居るかもしれないこの場で言うのは不味かったか……？
少しの沈黙が流れた後、Aが答えた。
「……皆への餞別、かな？だってほら、傷とか体力とか回復してるでしょ？」
山姥切「た、確かに……しかし、かなり大掛かりだな。」
「いやぁ、鶴さんの真似をして、皆の驚くやり方でやってみたんよ！ふふふ……！」
Aはイタズラに成功した子どものように笑う。
山姥切「……作戦は成功か？」
「うん。驚きの結果が得られたよね。」
山姥切「そうか……休んでいてもいいぞ？」
「いーや、まだまだやり足りない！」
山姥切「はあ……無茶をして死んでしまうなんてことは止めてくれよ？」
「大丈夫だって！も〜心配性だな、切国は。」
山姥切「なんせどこかの誰かさんが、いつも心配をかけさせるやつなのでな。」
「……もしかして、怒ってる？」
山姥切「怒ってない」
「いや、絶っっ対に怒ってる！アタリでしょ？」
山姥切「……」
「無視するってことは図星だ！」
山姥切「………終わったら桜餅を作ってくれ。そうしたら許す」
「！……フッフッフ、いいだろう！山ほど作ってやろうではないか！！」
楽しい。
Aと話しているだけでそう感じる。
２年半前までは何でも無い会話が、こんなにも楽しいことなど無かった。
それに、今はとても幸せだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 397人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：九条椿 | 作成日時：2019年4月6日 15時
