元ブラック本丸の審神者がピリオドを打ちます！完結編 (ページ27)

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終焉まで、あと_____ ページ27

Aの本丸の刀剣達は気付き始めていた。この雨は一体誰が降らせているのかを、その正体を。

反対に、ミキの本丸の刀剣達は混乱するばかり。
敵襲を受けたことがなく、ただでさえどうしたら良いかわからない上に、みたこともない真っ赤な血の雨が降ってきているのだから、無理もない。

ミキ「加州」

∮加州「主、どうしたの？」

ミキ「皆、大丈夫かな……」

∮加州「俺たちだって師匠(A)達に及ばないけれど、そこそこ経験積んでるんだ。それに、師匠達もいるじゃん。心配しなくても大丈夫だから、主は手入れに専念して？」

ミキ「うん……」

ミキも薄々気が付いていた。
外で降っている血の雨の正体を。

「っはぁ、はあっ、はあっ、はあっ、ゴホゴホッ！っ、…血が……」

一方その頃、Aは、自分の体に限界が近いのを感じていた。

霊力の過剰放出だ。

既に四つ同時に術を展開している上に、
この広大な本丸の敷地全体にそれを包むだけの大きな結界を張り、
その広大な敷地全体に他の力を上書きするだけの大量の霊力を巡らせたのだ。

常人だったら、既に死に至る使用量。

しかし、霊力が無限と言われている彼女も、無敵では無い。

霊力を使えば使うほど、霊力の底が尽きなくても、その使用量に体が耐えられないのだ。

霊力の量は言ってしまえば、霊力に体がどれほど耐えられるか、という耐性によって量が決まっている。

すなわち、無限に持っている人は、その分体への負担が大きいということなのだ。

だから、今の彼女の体は既にボロボロの状態。

本来ならば、最前線からの離脱も推奨される。

しかし、彼女は何が何でも、再度参戦するだろう。

なぜなら、彼女自身が、それこそが自分に与えられた"役割"であると思っているからだ。

「ふぅ……ちょっと、落ち着いてきた、かな。今、は、……まだ２時半過ぎ、か。夜明けまではまだ時間がある。でも、体力の消耗が激しいな……とりあえず、顔だけでも洗ってこよう。こんなの見られたら、切国に叱られちゃう。」

Aは、顔を洗う間だけでも休むことにした。それ以上は休めない。

「今ので簡易的な転移装置の破壊くらいは成功したはず。それでも、戦況はあまり変わらず、と言ったところか……皆が臨機応変に対処してくれてはいるけれど、なかなか上手くいかないものね。……よし、行くか！」

Aは自分の頬を大きく叩いて気合いを入れ直し、再び参戦した。