その百十五 ページ43
(勉強してたんだ……切国は不器用だけど何でも出来ちゃうからチート、なんて思ったけどそうじゃなくて努力家さんだったのか。)
私は頬が緩んでとても誇らしくなった。
私が顕現した山姥切国広じゃなくてもこの本丸の主として、皆の家族として皆に知られないところで手が黒くなるまで頑張って勉強している山姥切国広という家族とても誇らしい
「切国」
山姥切「っ！？……芙蓉まだ起きていたのか。もう一時半過ぎだぞ」
「それはこっちの台詞。何でこんな時間まで勉強しているの？ちゃんと寝なくちゃ。明日から見習いさんが来るんだし」
山姥切「……気づいていたのか」
「ごめん、さっき覗いてた」
山姥切「かまわない。何故この時間まで勉強をしているのか、だったな。理由は簡単だ。お前達の足を引っ張りたくなかったんだ」
「足を引っ張るだなんて、そんな……」
山姥切「俺は兄弟や太鼓鐘のように得意教科があるわけでもなくあまり高得点をとれていなかった。だから……」
「だれだってはじめから完璧に出来るわけじゃないんだから……」
山姥切「だから自分で勉強して兄弟達に教えられる位まで頑張って勉強した。それで兄弟達の解らないところを教えていたんだ。そうしたら謎が解けた兄弟達は嬉しそうにする。それをみていると心がぽかぽかしたような感じがしてな」
「じゃあ尚更……」
山姥切「言っただろう？"なかった"、と」
「……そういう事か。こりゃあ一本とられたわな」
山姥切「……ふぅ、キリもついたことだし今日は寝るとしよう」
「そう。じゃあまた明日ね。お休みなさい」
山姥切「ああ、お休み……」
そのあと、私は熟睡できました。
山姥切「……起きているんだろう、兄弟」
山伏「なんだ気がついておったのか。わからぬと思ったのだがなあ……」
山姥切「俺が勉強しているときいつも起きていただろう」
山伏「カッカッカそこまで気づかれておったとはな。弟の成長を見守りたくてな。兄のつまらぬ理由だ」
山姥切「成長、か」
山伏「おぬしは明日は近侍であろう？早く寝られるが良い」
山姥切「お言葉に甘えて先に寝かせてもらう……ふぁ〜あ……お休み、兄弟……」
山伏「ああ、お休み」
山姥切「すぅ〜……すぅ〜……」
山伏「余程疲れがたまっておったのだな。気づいてやれなくてすまなかったな兄弟。あまり無理をして折れてしまうだなんてやめてくれよ……さて、拙僧も寝るといたそうか。明日は早いからな……」
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作者名：梅椿之姫 | 作成日時：2017年12月22日 11時
