刀剣乱舞大好きな私がブラック本丸の審神者になっちゃった！肆 (ページ34)

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その百六 † ページ34

薬研サイド

あれから俺っち達は急いで本丸に帰り芙蓉の手当てをした。勿論留守組の連中は混乱して大騒ぎになった

そして芙蓉が目覚めないままもう二週間が経とうとしていた
全員気が気じゃない状態で内番、任務、遠征等をこなし、交代で芙蓉の看病をしていた

今日は俺っちと後藤の日だった

後藤「なあ薬研、姉貴、ちゃんと目ぇ覚ますよな？」

薬研「……さあな」

後藤「俺達、姉貴に助けられてばかりで何のお返しもできてねえんだせ？なのにそのままお別れだなんて俺……」

薬研「そんなの、俺っちだって嫌に決まってるだろうが……」ﾎﾞｿｯ

後藤「え？」

薬研「今は信じて待っているしかねえんだ。そのくらいしか俺っち達には出来ねえ」

後藤の言いたいことは痛いほど分かる。この本丸の誰もが同じ事を思っているだろうからな

……なあ芙蓉、早く目を覚ましてくれよ。お前が待てというならいつまでも待ち続ける。だがこのままさよならなんてされたら俺っち達はもう……だからさ、頼むよ……

「ん...」

後藤「あ、姉貴！」

「後藤...！よかった無事だったんだね」

薬研「無事だったんだねじゃあねえだろ！！」

本当は芙蓉が起きたことを喜ばなくちゃあいけねえのは頭では分かっていた
わかってはいたのにすごく腹立たしくなったから怒鳴ってしまった

「薬研...？」

薬研「なんで無茶ばかりすんだよ！なんで一人で抱えこむんだよ！そんなに俺っちたちに頼るのが嫌か！？」

後藤「おい薬研落ち着けよ！」

こいつが無茶ばかりするのも一人で抱えこむのも全然頼ってくれないのも全部俺っちたちを大事に思ってくれていて守ろうとしているからだって言うの、わかっているのにどんどんあふれてきちまう

薬研「お前全部ひとりでしょい込んで何でもそのあといいことがあると思ってんのか！？」

「そ、それは...でも私皆に心配かけたくないし皆が傷つくのもう見たくなくて、だから」

そんなこと知ってる。そんなのこの三週間嫌というほど見てきた
なのにわからないんだ。なんで思ってもいないこと口走って自分たちを地獄から救い出してましてや幸せをくれた芙蓉に怒鳴り散らしているのか

「皆を傷つけていたのなら謝るし斬られる覚悟だって出来てるよ。そういう約束だものね」

違う、違うんだ。誰も傷ついちゃいない。

...ああ、なんで怒鳴っているのか分かったかもしれない

薬研「心配なんだよ...」

「え？」