ひとり、ひとりじゃない （BEST×ar）

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高木side



黙々と部屋の中を片付けながら

必要なものだけバックに詰めていく



俺らと撮った写真も床に散らばってて、涙のような水滴の跡がついていた





血がついたカッターも
ビリビリに引き裂かれたクッションも


壊された物一つ一つが、有岡くんの辛い思いを物語ってて







｢っ、ふっ｣


考えるだけで涙が止まらなかった









こんな暗くて冷たい部屋の中で1人で悩んで悩んで









よく考えれば分かることだった









有岡くんに相談することはよくあっても、有岡くんから相談されることは中々なかった





(｢有岡くんは悩みなんてなさそうだよね｣)





そんな一言が余計に苦しめてるとも知らずに






(｢俺は大丈夫だよ｣)

そう言ってにこぉって笑う太陽みたいな笑顔に騙され続けた









日に日に有岡くんの身体は痩せ細っていって、どんどん増えていくドラマの撮影、映画の撮影。


売れていない俺には、羨ましいなとしか思えなくて









薮くんと二人で玄関を出る。。
お互い鼻は詰まってたけど、、、


有岡くんを助けようと思う気持ちは同じくらい強かった

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