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樹は図書室にも来なくなった。
1人で本を片付けていると思い出してしまう。
『何て顔してんのよ。』
「あっ北斗くん。」
『死にそうな顔してるよ?』
「この間は助けてくれてありがとう。」
『全然いいけど、その後は大丈夫なの?』
「大丈夫。」
樹と関わることがなくなった途端、いじめはパタリと止んだ。
『大丈夫じゃ無いでしょ?
田中、最近来ないね。』
「そうだね。」
『仲、良かったんじゃないの?』
「飽きられちゃったみたい。
笑えるよね、北斗くんは忠告してくれてたのに。」
『なんで笑うの?
本当は泣きたいくせに。』
今日の北斗くんはやけに鋭くて嫌になる。
『ねえ、今年のクリスマスは誰と過ごすの?』
もう来週に迫ったクリスマス。
「1人かな。」
何となく誰かと過ごす気にはなれず、誘いは全て断ってた。
『じゃあ俺に時間頂戴。』
「クリスマスにまで説教するの?」
『そうじゃないよ。
ただ、イルミネーションが見たいなって。』
「そういうの好きなの?」
『好きだよ。
ずっと。』
「珍しいね、男の人でイルミネーション好きって。」
『んー、物好きなのかもね。』
結局あれよあれよと言っているうちに、クリスマスは北斗くんとイルミネーションを見に行くことになった。
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yuka(プロフ) - 不意に読み始めた物語、切なくて続きが気になって仕方ありません!!!次の更新も楽しみにしています!! (2022年8月2日 4時) (レス) id: 6a0e68cae9 (このIDを非表示/違反報告)
エリ(プロフ) - むちゃくちゃ面白くて引き込まれます😭幸せになって欲しい😭😭😭 (2022年7月23日 9時) (レス) @page20 id: 87769551eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅酒 | 作成日時:2022年5月27日 19時