完璧なフリはもうやめて (ページ48)

今日:45 hit、昨日:40 hit、合計:479,193 hit

48 ページ48

早くも体育祭当日になった。

実行委員は早めに来て準備に追われていた。

森『色々仕事押し付けちゃってごめんね。』

「あんな空気の中で委員になること決めてくれただけで感謝しかないよ。」

森『何かあったらいつでも相談乗るから。』

「ありがとう。」

森本くんとは段々と仲良くなり、初めて友達と言える存在ができた。

森『力仕事は俺に任せて。』

腕まくりをしてやる気モード全開。

一通りの仕事が終わり、吹奏楽部の音色と共に体育祭は始まった。

灼熱の太陽が地面を照らす中、私は放送部の後ろの席に座ったすわ。

女子からは「特別待遇だ」とか「先生にも色目使っているんじゃ」とか言われていたが、話しても無駄なので黙っていた。

席に座ってぼーと競技を見ていると

『Aちゃん』

隣に北斗くんが座った。

「何でここにいるの？」

『おれ保健委員だから。』

「そっか。」

『Aちゃんは何でここにいるの？
　体調悪い？』

「ううん。長時間日差しに当たっていると肌痛くなっちゃうから。」

『そうなんだ。

　肌白いもんね。』

そういうと私の頬に彼の手が伸びてきた。

「北斗くん＿、？」

いつもある程度の距離感を保って接してきた彼が、急に大胆な行動を取ってきて胸がどくどくと脈打つのがわかった。

北斗くんは私の頬を撫で、妖艶な瞳で見つめてくる。

「ちょ、、」

ぷにっとほっぺを摘まれ

『雪見だいふくみたい(笑)』

ドキドキさせられたと思ったら、そんな悪口みたいなことを言うから

「喧嘩売ってるの？」

なんて冷たくあしらった。

『ドキドキした。』

「そりゃあんなことされたら、誰だってドキドキするでしょ。」

『初めて動揺させれた(笑)』

「北斗くん何かチャラくなってない？」

『まー頑張ってるからね。』

「チャラくなりたい年頃？」

『まあ、そうかもね。』

久しぶりに話した北斗くんは以前に増して色気があって、不覚にも意識してしまう。

体育祭中はずっと北斗くんと他愛もない話をして、この居心地の良さ久々だな、なんて思ったりした。