完璧なフリはもうやめて (ページ44)

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1週間後また実行委員の集まりがあり、仕事が割り振られた。

パソコンがあまり得意ではないという森本くんの代わりに、資料の作成などは私がすることになった。

クラスTシャツの発注、備品などの確認、パンフレットの作成などを担当する。

当日の挨拶や、スケジュールは2年生が担当することになっている。

3年生は受験を控えているので、ほとんど仕事はない。

「なんであんたが私の家で作業してんのよ。」

『2人でやった方が捗るでしょ。

　それに俺Aちゃん癒し係でもあるし。』

「そんな係ないでしょ」

委員会が終わってから蓮くんが家に来ると言って聞かなかったので、仕方なく了承した。

私は自宅のパソコンで資料を作り、蓮くんは晩ごはんを作ってくれている。

慣れない手つきで包丁を使っている姿を見るとヒヤヒヤさせられる。

それでも器用にこなし、サラダとパストを用意してくれた。

「人が作ってくれたご飯食べるの久しぶり。」

『どう？』

「めちゃくちゃ美味しい」

『良かった。』

「ワイン取って来てもいい？」

『良いけど、明日学校なんだから程々にしなよ。』

「わかってるって。」

『心配だから今日泊まるね。』

「あんたが泊まりたいだけでしょ。」

明日も学校だと言うのに蓮くんが帰る様子は全くない。

2人で夕食を食べ、ほろ酔いでお風呂に入り

彼に抱かれ、眠りについた。

こんな生活、女子なら誰もが羨むだろう。

でも私は、何も感じられない。

樹くんじゃなきゃ何の意味もないのだ。

蓮くんの寝顔を見ながら今日も樹のことを考えてしまう。