完璧なフリはもうやめて (ページ34)

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ひとしきり海を満喫して解散した後も、樹は私を家まで送ってくれた。

自宅に着いた私は、リビングのソファーに横たわり

「あー、どうしよう、、」

と独り言を呟いた。

彼といるとどうしようもなく素直になってしまう自分と、過去の恋愛のトラウマからくる葛藤が私を蝕んでいく。

『俺がいるから』

そういった樹だけど、その言葉に甘えたら今度こそ突き放すことはできなさそうで

Prrrrrr Prrrrr

「もしもし。」

私は蓮くんに電話をしていた。

『どうしたの？連絡くれるなんて久しぶりじゃん。』

「今から家来れる？」

『Aちゃんのためなら、いつでも飛んでいくよ。』

なんて少女漫画みたいな台詞を照れもせずに言ってくれた。

それから30分ぐらいでインターホンがなった。

「ごめんね急に。」

『Aちゃんが頼ってきてくれるなんて初めてだから、嬉しかった』

そう言いながら抱き締めてくれる。

「蓮くん、

　私のことめちゃくちゃにしてほしい。」

『え？』

とても心配そうな目で見つめてくる。

「何もかも忘れられるくらいめちゃくちゃにしてほしいの。」

そう無理な要求をする私に

『わかった。』

と言い、蓮くんは荒々しく私を抱いた。

こんなことをしても無意味だとわかっていながらも、これしか思いつかなくて。

虚しい気持ちを必死に押し殺し、彼に身を委ねた。