完璧なフリはもうやめて (ページ21)

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『今日は放課後委員会あるから忘れんなよー』

ホームルームの時間、担任からのお知らせがあった。

早くも7月に入り、日差しもかなり強くなった。

先生は席替えの存在を忘れているようで、私は相変わらず窓際である。

少し前まで窓から入る風は心地よかったのに、今では蒸し暑さしかない。

『今日の委員会、一緒に行こ』

樹はあれから図書室に来たり、来なかったりである。

「大丈夫なの？」

『いや、俺そんな多忙じゃないから(笑)』

そう言うけど、いつも色々な女の子が教室に来ては

今日は一緒に帰れるのかと詰め寄っている。

相変わらずプレイボーイは健在のようで、いい噂は聞かないけど

そんなことは関係なく、わたしの好きは募っていく。

それを掻き消すように私も男遊びを続けていた。

　
目『Aちゃーん、昨日借りたヘアゴムそのまま持って返っちゃってた。』

「蓮くん。」

彼は目黒蓮くん。

私の遊び相手のうちの1人。

目『昨日は楽しかった。

　また誘ってね。』

そう言って私の手首にヘアゴムを付けると、自分の教室へと戻っていった。

樹が隣にいる時にこれはやめてほしかったなー

なんて思う。

『…あいつイケメンだな。』

「そうだね。」

『好きなの？』

「好きじゃない。」

『なのに昨日は楽しんだんだ。』

「あんまり掘り下げないでよ。」

『Aってよくわかんねえよな。

　遊んでるって聞くけど、俺のことは誘ってこないし。』

「どんだけ自信満々なんだよ。」

『だって俺めちゃくちゃモテるもん。』

「知ってる。」

樹にしては珍しく、私の恋愛事情に首を突っ込んできた。

やっぱり遊んでることバレてるよね。

樹が好きな気持ちを消すために男遊びしてます

なんて口が裂けても言えない。