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さっきのぽかんとした千賀と二階堂の顔が頭に浮かんで、つい笑ってしまう。
「めずらしいですね」
「ん?」
「中居さんが自分から声かけて話を聞いてあげるなんて」
「まあ… どんな巡り合せでも俺らに絡んできてくれた、数少ない後輩だからなあ」
最初にあいつらと会った時は、今更マジか、とも思ったけど。
「あいつら見てると、なーんか昔のこと思い出すんだよなぁ。辛かったこととかじゃなくて、ただガムシャラに前に進もうとしてた気持ちみたいなのをさ」
「今だってそうじゃないですか」
「まあねぇ。でも進み方はだいぶ変わっちまったからなぁ」
あの頃、背負うものはほとんどなかった。
メンバーと、ファンとスタッフと。
純粋にそれだけだった。
今は… いろんなもん背負ったな、と他人事のように思う。
中には望んだこともないものも、不要なものもあるんだろうけど。
出来れば後輩には背負わせたくねぇな、と思う。
自己犠牲といえば美談なんだろうが、単純に迷いなく前に進んで欲しいだけだ。
前に進む時、自分たちの力を100%出せる状態であれば、心配することなんてひとつもない。
それだけの力を持っていることも、もうだいぶ前から知っている。
昔はぼんやり思う程度だったことをはっきり意識するようになったきっかけの中に、あいつらの存在もあるんだろうか。
思い返そうとして浮かぶのは、楽しそうな7人と、俺から見ても不思議な空気のふたり。
シンメ、ねぇ…。
二階堂と千賀には悪いが、結局は あのふたりが折り合いをつけるしかない。
ただ、折り合いをつける理由が当事者以外の、例えばメンバーであってもいいはずだ。
あれだけ自分たちを想うメンバーがそばにいるんだ、余計な心配はいらないだろう。
そう思い巡らす自分を本当に柄にもないな、と苦笑してしまう。
でもまぁ…――――
たまには
不/協/和音 >>
next turns ?
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書いていく内に迷走し始め、迷子のまま終了。ここはどこ?
タイトルは某坂さんから。
自分を貫くだけが強さでない事を大人になっていく毎に知っていくなか、その年代にしかない強さを振り返ると尊く儚く感じたりします。彼らと彼らはこの先どんな強さを得ていくんだろうと思いつつ、ニカ千から見た藤北と、後輩を好きすぎるパイセンを書きたかったんですが、音楽の日の本家に撃沈。なんだあれ、可愛すぎかっ!
2017.7.18
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ひろ(プロフ) - 感想になるか分からないですが、、、Dawnのお話を読んで、彼らのの解散にひどく傷ついていたこと、見ないふりをしてきた自分に気付かされました。大丈夫なふりを、していたなって。ずっと聴けなかった彼らの曲を改めて聴きたいと思うきっかけになりました。 (2021年5月27日 20時) (レス) id: 88642e1cbe (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 「眠れぬ…」を読んでいたらもっともっとumeno様のお話を欲してここに帰ってきて思ったのですが「イエスだったら目を閉じて」と言いながら瞼にキスを落とすFさんにクラクラしてもうそのページだけで何回も読み返して次に進めなくなっております笑。またお邪魔致します。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0439536464 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 和歌の世界を含ませた藤北のお話に自然に涙が出ました。素敵です…有り難うございました( ; ; )このお話に出会えてよかった (2018年7月9日 17時) (レス) id: 9a25a9284f (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - きたのさん» きたのさん、コメありがとうございます。突発的な横北を気に入って頂けて良かったです。落ちついてるふたりでしたね笑 裏設定として次の日のカレーうどんはKさん寝坊でYさんが作り、自分が作るより美味しいとKさんが拗ねるというのがありました(^ ^) (2017年7月22日 18時) (レス) id: 5f3e9630aa (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 一度しか投票出来ないのが悔しいくらいに心の中で星押させてもらってます!横北素敵ですね。お互いを気遣いながら恋をする大人なふたりにキュンとしました!横尾さんからみる上目遣いの北山さんの可愛さは格別だろうな〜。素敵な小説ありがとうございました。 (2017年7月22日 15時) (レス) id: 401ec2c6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:umeno | 作成日時:2016年11月2日 17時