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Dawn replay K ページ20

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聞いた瞬間、心が固まった気がした。

悲しいとか、悔しいとか、憤りとか、諦めとか、そういう名前のついた感情じゃなくって。
ただただ、心が動かない。


言い様のない不安、そいつに追いつかれそうな気がした。



…あの日から夢をみる。




俺は暗闇にひとり立っていた。

ひたひたと忍び寄る黒さに足がすくんで動けない。


耳を澄ますと遠くでゴオォォゥ…と、低く地鳴りのような音が聞こえる。
しばらくしてその音が、ものすごい勢いで水が流れている音だということに気付く。


とりあえず歩こうと闇雲に足を前に出してみたものの、抵抗のある水の中を歩いてるみたいに進んでいる気配がない。



こわい、

そう思った瞬間、足元に冷たさを感じた。


黒だけの世界に、なぜか自分の足とどこからともなく流れてくる水が見えた。



黒く暗い冷たい水。


徐々に水量を増す流れの中、立っているだけで精一杯になる。



水嵩が太腿あたりになった時、遠くから大気を震わせて、何かが迫ってくる気配がした。

頬を撫でる風の冷たさに、来た、と思った。


さっきまで感じていた恐怖も麻痺したみたいに頭の中は冷静で、このまま流されるんだろうな、と他人事のように思った。



黒い世界の暗い濁流に。


光なんてどこにも射していないのに、すごい勢いで大波のように迫りくる その流れが見えた。

濁流に流されて、辿り着く先は海なんだろうか?



……その海には光が射すといいな、

そう願うように目を閉じた刹那、トプン、と静かに飲み込まれた。




冷たい水の感触が全身を包む。
息苦しさはないのに異様に冷たくて寒くて。


寒くて寒くて凍えそうな頭で、流れ着いた先の水底に横たわる自分を想像した。



やがて水流が弱くなり、ただ水の中を漂っている。
ゆっくりゆっくりと砂が沈殿するように、自分の身体が水底へと沈んでいくのがわかった。


目を開け、沈む自分とは逆に昇りゆく水泡を眺める。
音もなく昇っていく泡を見つめていたら、なにかが聞こえた気がした。



上?


目を凝らすと白い点が見えた。

だんだんと大きくなっていくその点が光の塊だとわかる頃、それにフワリと包み込まれた。



清浄さを持った光が、温かい。


コポコポと泡の音が耳に届く。

その音に耳を傾けていると、小さく呼ばれた気がした。



――― きたやま、



変わらずにずっと俺をそう呼ぶのは1人しかいない。



「……藤ヶ谷」



音にした瞬間、黒く暗かった世界が反転した。


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設定タグ:藤北 , 玉北 , 横北,Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:タレント
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ひろ(プロフ) - 感想になるか分からないですが、、、Dawnのお話を読んで、彼らのの解散にひどく傷ついていたこと、見ないふりをしてきた自分に気付かされました。大丈夫なふりを、していたなって。ずっと聴けなかった彼らの曲を改めて聴きたいと思うきっかけになりました。 (2021年5月27日 20時) (レス) id: 88642e1cbe (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 「眠れぬ…」を読んでいたらもっともっとumeno様のお話を欲してここに帰ってきて思ったのですが「イエスだったら目を閉じて」と言いながら瞼にキスを落とすFさんにクラクラしてもうそのページだけで何回も読み返して次に進めなくなっております笑。またお邪魔致します。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0439536464 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 和歌の世界を含ませた藤北のお話に自然に涙が出ました。素敵です…有り難うございました( ; ; )このお話に出会えてよかった (2018年7月9日 17時) (レス) id: 9a25a9284f (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - きたのさん» きたのさん、コメありがとうございます。突発的な横北を気に入って頂けて良かったです。落ちついてるふたりでしたね笑 裏設定として次の日のカレーうどんはKさん寝坊でYさんが作り、自分が作るより美味しいとKさんが拗ねるというのがありました(^ ^) (2017年7月22日 18時) (レス) id: 5f3e9630aa (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 一度しか投票出来ないのが悔しいくらいに心の中で星押させてもらってます!横北素敵ですね。お互いを気遣いながら恋をする大人なふたりにキュンとしました!横尾さんからみる上目遣いの北山さんの可愛さは格別だろうな〜。素敵な小説ありがとうございました。 (2017年7月22日 15時) (レス) id: 401ec2c6d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:umeno | 作成日時:2016年11月2日 17時

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