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「ぁ、はぁ…」

「…北山」


開放されたとたん、息を止めていたことに気づき、大きく息をつく。

藤ヶ谷の声が聞こえてヒョイっと体を持ち上げられ、ソファーに座らせられる。
荒々しくはないけど、ソファーの背に身体を押し付けられた。
さっきとは逆に今度は藤ヶ谷の目線が上になる。


顎を持ち上げられると、ゆっくりと唇を重ねられた。
唇の間を藤ヶ谷の舌先が左から右へとゆっくりとなぞっていく。くすぐったくて、吐息が漏れる。

その隙間から、ゆるり、と熱い舌が入ってきた。


「ふぅ、んっ…」


ゆっくりゆっくりと口内を探っていく、その舌の動きに意識が集中していく。
適当に動いてるようで一度反応した場所は忘れずに、優しく動くくせに、だんだんと追い詰められていく。


「んっ、…ふ、…っはぁ、」


息が徐々に上がっていってしまい、音にならない吐息が漏れるのが抑えられない。
恥ずかしくて、藤ヶ谷の胸を押し返せばその手を取られてソファーに縫い付けられる。


奥に逃げた俺の舌が捕らえられ、ザラっとした感触が根本から絡みつく。
そのまま上顎をなぞられれば、その刺激が気持ち良くて身体の強張りが緩んでしまう。
抵抗する気がなくなったのがわかったのか、ちゅっと音を立てて唇が離れていく。


「ふ、ぁっ…」


藤ヶ谷の胸にもたれて、はぁはぁと呼吸を整えていると、おでこにキスをされた。
そのまま頬を包まれ、くいっと上を向かされる。

藤ヶ谷は黙ったまま。
長い指が顎に添えられ、親指でゆっくりと唇をなぞられた。


ぞわり、身体の奥から震えがくる。
漏れる吐息にさっきまではなかった甘さが混じってるのが自分でもわかる。

恥ずかしくて身をよじると、強い力で抱きしめられた。
それでも少しでも離れたくて両腕で藤ヶ谷の胸を押して、できる限りに俯く。


頭が混乱してる。
ほんの数分前まで普通に電話してて…
急に藤ヶ谷が現れて、逢瀬って…
急、に、あんな瞳、


藤ヶ谷の瞳を思い出して、身体中に熱が集まっていくのが分かった。
絶対、これ藤ヶ谷に気づかれてる!

そう思えば思うほど、止められない。




「…ごめん、驚かせた」
ふっ、と藤ヶ谷が息をつくと腕の力が弱まっていく。



「本当はゆっくり待つつもりだったんだ。……でも北山、ギャップありすぎなんだもん」


そう言いながら、藤ヶ谷の腕が俺の頭を引き寄せる。
藤ヶ谷の着ているコートが揺れて、少しだけ、湿気を含んだ藤ヶ谷の香りがした。


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設定タグ:藤北 , 玉北 , 横北,Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:タレント
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ひろ(プロフ) - 感想になるか分からないですが、、、Dawnのお話を読んで、彼らのの解散にひどく傷ついていたこと、見ないふりをしてきた自分に気付かされました。大丈夫なふりを、していたなって。ずっと聴けなかった彼らの曲を改めて聴きたいと思うきっかけになりました。 (2021年5月27日 20時) (レス) id: 88642e1cbe (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 「眠れぬ…」を読んでいたらもっともっとumeno様のお話を欲してここに帰ってきて思ったのですが「イエスだったら目を閉じて」と言いながら瞼にキスを落とすFさんにクラクラしてもうそのページだけで何回も読み返して次に進めなくなっております笑。またお邪魔致します。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0439536464 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 和歌の世界を含ませた藤北のお話に自然に涙が出ました。素敵です…有り難うございました( ; ; )このお話に出会えてよかった (2018年7月9日 17時) (レス) id: 9a25a9284f (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - きたのさん» きたのさん、コメありがとうございます。突発的な横北を気に入って頂けて良かったです。落ちついてるふたりでしたね笑 裏設定として次の日のカレーうどんはKさん寝坊でYさんが作り、自分が作るより美味しいとKさんが拗ねるというのがありました(^ ^) (2017年7月22日 18時) (レス) id: 5f3e9630aa (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 一度しか投票出来ないのが悔しいくらいに心の中で星押させてもらってます!横北素敵ですね。お互いを気遣いながら恋をする大人なふたりにキュンとしました!横尾さんからみる上目遣いの北山さんの可愛さは格別だろうな〜。素敵な小説ありがとうございました。 (2017年7月22日 15時) (レス) id: 401ec2c6d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:umeno | 作成日時:2016年11月2日 17時

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