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年をとるにつれ、魔女は俺に色々な知識を与えた。稽古から始まり文字の読み書き、数字の足し算引き算かけ算割り算、生物について教えてくれた。魔女は教えるのが上手い。割り算が出来なかったとき、丁寧にポイントをわかりやすく教えてくれるのだ。稽古は相変わらず厳しいけど。
本もたくさんのもらった。植物の本、生物の本、料理の本、掃除の本、家庭の本。多いと思うけど、朝起きたら稽古以外何もすることがないので暇つぶしには丁度いい。
そしてあの日から7年、一緒に暮らしてきて気づいたことがある。おれはどうやらあの魔女を信頼しているらしい。勿論それを態度に出すことはないけど。
きっかけは2年前。おれが高熱の風邪に襲われたとき。
朝から体が重く、関節が痛くて、喉がひりひりするなと自分の不調に気づいてはいたんだけど、すぐになおるだろうと思って魔女には言わなかった。
動きに支障はなかったし、ちょっと立っていられないくらい。そのまま稽古して、いつもみたいにボロクソに言われながら土人形に剣を振るおうとした。目眩、頭痛、吐き気。そのとき、それが一気に襲いかかってきて、おれは倒れてしまった。
あつい、痛い、きもちわるい、苦しい。ガンガンと頭を叩かれてるように痛くて、起き上がれもしなかった。死んじゃうのかなって思った。お母さんのところに行けるなら万々歳だけど、何故か魔女の顔がチラついた。
意識が遠のいていくなか、最後まで聞こえたのはおれの名前を切羽詰まったように何度も呼ぶ魔女の声だった。
「ペ神、トントンは生きてるの？」
「大丈夫や言うとるやろ。ただの風邪や」
「でもっ、もう2日も起きてない……！」
魔女と、知らない男の声。会話を聞いてそっか2日も寝てたのかと呑気に思った。頭はもう痛くないし、体も重くない。目を開けて体を起こすと、声の通り魔女と見たことない男の人がいた。
「ほら」
「トントンっ……！！」
「うゎ、」
目を開けた筈なのに、すぐ視界が暗くなった。あまりの勢いに体が後ろに倒れる。ラベンダーの香りがおれを包み込んだ。いつもならすぐに引っペがすところだが、おれの手はいつの間にか魔女の背中にまわっていた。ただの気まぐれだ。
だって、びっくりした。あの魔女が泣いている顔なんて初めて見たから。顔を歪めて、ぼろぼろ泣いていた。
まるで子どものようにグズグズ泣いて、おれに抱きついてくるのが、愛おしくて仕方がなかった。
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あろま(プロフ) - 佛无さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！涙は責任取って拭かせて頂きますね( ・ω・)つ［ハンカチ］ (2018年4月26日 5時) (
レス) id: 1d2227b96e (このIDを非表示/違反報告)
佛无 - 涙止まんないじゃないっすかぁああ (2018年4月14日 17時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 星空りゅなさん» コメントありがとうございます！そうなんですゾムさんの話も考えてあります！メインとして出ない方もおりますが、全メンバー出せるように構成しています！是非お楽しみください！ (2018年3月25日 9時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - ふぁっ！？ぐ、グルッペンバージョン…だと！？嬉しいです！…ﾊｯてことはゾムさんもいつか…？(ｿﾜｿﾜ更新頑張ってください！待ってます！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 8876898f76 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 通りすがりの変人さん» コメントありがとうございます！実は完結ではないんです！この後にもほかのメンバーでの話をアップしていく所存なので、是非そちらも読んで頂ければ幸いです。最後の部分はどうまとめるか悩みましたが、そう言っていただけて嬉しいです！ (2018年3月13日 8時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま | 作成日時：2018年2月19日 6時
