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Ms.ミルーバに礼を言って家の中に戻ると、ひとらんがマグを持って壁にかけられたコルクボードを眺めていた。テーブルにもう一つマグが置かれてあり、白い湯気にのせられて香ばしい香りが鼻腔を満たす。どうやらひとらんが淹れてくれたらしい。お茶を誘ったのは私なのにお客様に作らせることになり申し訳なく、ごめんねと大きくなった背中に声かける。
「気にすんな」
「ふふ、でも、ひとらんの淹れるコーヒーは好きよ。ありがとう」
「だろ？味わって飲めよ」
「はいはい」
私もマグを持ってひとらんの隣に立つ。貼られてあるのは全て写真で、グルッペンやひとらん、それに私が写っている。主に写っているのはグルッペンで、1歳の写真とか3歳の写真とか。言わば成長記録だ。多すぎて壁に直接貼っているものもある。
「これはグルッペンが初めてはいはい出来たときで、こっちは立ったとき。これはロリーに貰ったドレスを着せられてる時に、撮ったやつで、あの時は嫌々ながら着せたから機嫌取りが大変だったのよ」
「母さんもこの写真持ってたな。これとか、懐かしい。森に遊びに行って迷子んなったときの」
「あー、ほんっとに心配したんだから。ロリーと一緒に駆け回って、見つけたときは叩かれてたね」
写真をとるようになったのは、ロリーに言われたからだ。アルバムを作ってそのこの成長を大人になってからも見ることができる。やはり人間の文化って素晴らしい。動画も取れてビデオに残せるし。
「これ、」
「グルッペンが小論文で賞をとったやつだね。町中すんごい大騒ぎで、もう祭りみたいだった」
「そのときひとらんが撮ってくれたんだっけ。あのとき本当にグルッペン嬉しそうで、写真苦手なのに自分から撮ってって」
「めっちゃ笑顔じゃん。これ、貰っていい？」
「いいけど…」
ひとらんが私とグルッペンが並んで写っている写真を画鋲から外す。どうせなら自分も写っている写真にすればいいのに。でも確かに彼が物凄く笑っている写真は少ない。いつも目線を逸らしてるか、私が横から撮っているかだ。
マグを一口、味蕾が苦味を感知する。けれどその苦味もスっと消えていく後からじわじわと美味さが広がっていく。やっぱりひとらんの淹れるコーヒーは世界一だ。
するとひとらんは一つの写真を指さした。それは珍しく風景写真で、人は写っていない。
「それはすぐ近くにある教会だよ」
「1回も見たことないんだけど」
「ああ森にあるからね。正面から行くと迷子になっちゃうよ」
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あろま(プロフ) - 佛无さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！涙は責任取って拭かせて頂きますね( ・ω・)つ［ハンカチ］ (2018年4月26日 5時) (
レス) id: 1d2227b96e (このIDを非表示/違反報告)
佛无 - 涙止まんないじゃないっすかぁああ (2018年4月14日 17時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 星空りゅなさん» コメントありがとうございます！そうなんですゾムさんの話も考えてあります！メインとして出ない方もおりますが、全メンバー出せるように構成しています！是非お楽しみください！ (2018年3月25日 9時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - ふぁっ！？ぐ、グルッペンバージョン…だと！？嬉しいです！…ﾊｯてことはゾムさんもいつか…？(ｿﾜｿﾜ更新頑張ってください！待ってます！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 8876898f76 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 通りすがりの変人さん» コメントありがとうございます！実は完結ではないんです！この後にもほかのメンバーでの話をアップしていく所存なので、是非そちらも読んで頂ければ幸いです。最後の部分はどうまとめるか悩みましたが、そう言っていただけて嬉しいです！ (2018年3月13日 8時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま | 作成日時：2018年2月19日 6時
