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夢に潜っていた脳は家中に鳴り響く電子的な音によって目が覚めた。いつもよりスッキリ起きれたことに謎の感動を感じながらベッドから抜け出しリビングにある病院用の電話の受話器を取って応答する。
相手は昨日の老夫婦の夫の方だった。受話器越しに切羽詰まった声に文章になっていない単語だらけの言葉から奥さんである彼女の異常が理解出来た。すぐに向かいますと通話を切り支度をする。
1度彼をこの家に置いておこうか迷ったがすぐに終わる用事ではないだろう。未だにすやすやと安らかな寝息をたてるグルッペンを起こさず、抱っこ紐と呼ばれるものを創り、そっと彼を抱いた。
そして外を出てその場で杖先を上に上げる。すると何かが目の前を物凄い速さで過ぎりその巻き起こった冷たい風が頬を撫でる。2人用の小さな車だ。運転手も誰も乗っていない車のドアが開く。それに乗り込んで行き先を誰もいない空間に告げるとドアが閉まり豪快にエンジン音を鳴らして出発した。
「7番通りの赤い屋根、老夫婦の所までお願い」
勝手に回るハンドルと深く踏み込まれたアクセルペダルを横目に右手でグルッペンを抱きしめ左手はアシストグリップを握る。口を引き締め、ルームミラーにぶら下がってるマンドラゴラのような人形がナビをするのはいつも不思議な気持ちだ。
「アネー右だ、おい右だってば。そうだ次も右にその次は左、そのまままっすぐかっ飛ばせ！」
いやどうか安全運転でお願いします。
人間には見えないこの車はどんどん前の車を追い越し、道じゃない田んぼの上も走っていく。無人と言ったが訂正しよう。誰も乗っていないように見えたのは透明だからだ。そしてマンドラゴラのようなものからナビを受けそれに合わせて運転をする。合わない場合もあるけれど。
その彼らが運転する車に揺れて5分もしないうちに見慣れた赤い屋根の家に到着した。座っていた席に代金を置いて車から出るとすぐに車は見えなくなった。さて、あれほど揺れて(マンドラゴラのようなものの声が)騒がしかったというのに私の腕の中はまだ夢の中だ。赤ちゃんにしては夜泣きもしない。ありがたいけれど少し不安になる。
「おはようございます、 Aです」
屋根と同じ赤い扉をノックする。置くから慌ただしい足音がして、勢いよく扉が開き顔面蒼白な旦那さんが顔を出した。
私の顔を見て力なく笑い、そしてその目線は自然と下の塊にいく。抱っこ紐に隠れてちらりと見える金髪に旦那さんは驚きのあまり硬直した。
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あろま(プロフ) - 佛无さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！涙は責任取って拭かせて頂きますね( ・ω・)つ［ハンカチ］ (2018年4月26日 5時) (
レス) id: 1d2227b96e (このIDを非表示/違反報告)
佛无 - 涙止まんないじゃないっすかぁああ (2018年4月14日 17時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 星空りゅなさん» コメントありがとうございます！そうなんですゾムさんの話も考えてあります！メインとして出ない方もおりますが、全メンバー出せるように構成しています！是非お楽しみください！ (2018年3月25日 9時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - ふぁっ！？ぐ、グルッペンバージョン…だと！？嬉しいです！…ﾊｯてことはゾムさんもいつか…？(ｿﾜｿﾜ更新頑張ってください！待ってます！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 8876898f76 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 通りすがりの変人さん» コメントありがとうございます！実は完結ではないんです！この後にもほかのメンバーでの話をアップしていく所存なので、是非そちらも読んで頂ければ幸いです。最後の部分はどうまとめるか悩みましたが、そう言っていただけて嬉しいです！ (2018年3月13日 8時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま | 作成日時：2018年2月19日 6時
