26 ページ33
心配してくれるのはありがたい。でもきっとバイトちゃんと新人くんは解釈違いをしている。でもだからと言って「違います幼馴染で会いにくいんです！」とは言えない。
「にしても護衛なしで総統様がこの店に来るなんて何かあったんですかね？」
『何もしてないけど……というか総統閣下は何をしてらっしゃる？』
「今スイーツ選んでますよ。どうやらお店で食べるらしいです」
お願いだから買って早く帰ってくれ。護衛も付けないで何してるのあの人。他に誰もお客様がいないから良かったものの、今はフリータイムだし、いつ誰がくるか分からないのに。
「今の季節だとウメを使用したスイーツがお勧めですが、当店の店長お勧めはこちらの桃パイとなっております」
「じゃあそのウメのやつと桃パイ2つずつ。…あとショートケーキも」
「全て食べていかれますか？」
「いや、食べるのは桃パイ一つだけにする」
「かしこまりました」
どうやら食べるのは一つだけらしい。よかった。それでもまだ彼はこの店にいるみたいだからため息がでる。
「はぁ……総統様の口から桃パイとショートケーキなんて……しんど……働いててよかった」
隣からもため息が聞こえてきたけど、意味合いが違う。この子はいつもの発作だ。
『バイトちゃん、総統様に飲み物聞いてお出しして』
「了解です」
バイトちゃんがホールに行き、入れ違いに新人くんがやってくる。どうやらケーキ箱が切れてたので取ってきたようだ。
『総統閣下の相手でも対応が上手だねぇ君は』
「いやぁひとらんらん様が護衛についてたら塵になってたっすけどね」
バイトちゃんと同じこと言ってるこの子。
「おまたせ致しました、カフェオレです」
「ああ、ありがとう。……うまいなここのケーキは。店長がいないのが残念だ」
「タイミングが合わず申し訳ありません。ですが、そのお言葉を聞いたら店長も喜びます」
うんバッチリ聞いてます。作り手としては嬉しい限りだし店の自慢にもなる。だって国のトップの甘党組に好評なのだからありがたい。
「店長にまた来ると伝えてくれ」
「総統閣下、こちらお持ち帰りの品です」
「ありがとう。じゃあ、君たちもまた会おう」
「ご来店お待ちしております」
カランカランと店のドアの鈴が鳴る。どうやらお帰りになられたようで、恐る恐るホールに出た。
『ありがとう二人とも』
そう言うと嬉しそうな顔で返事をしてくれた。言っておくけど私は総統推しじゃないので、そんな目で見ないで…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっこ(プロフ) - あっ、無理だったら大丈夫です。無理強いしたい訳では無いので (2021年2月23日 20時) (
レス) id: d0b1fc0c65 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - とってもとっても本当に凄く面白かったです。笑いが我慢できませんでした。面白くて面白くて面白すぎて面白すぎたので腹筋崩壊免れませんでした。腹筋崩壊は定められた運命でした。出来たら、出来たらでいいので更新していただきたいです… (2021年2月23日 20時) (レス) id: d0b1fc0c65 (このIDを非表示/違反報告)
マリイラ - やっばいっす…腹筋崩壊しましたあざました。ちょっくら逝ってきますw (2020年7月26日 19時) (レス) id: b495665938 (このIDを非表示/違反報告)
田中 - いろいろ頭おかしかったですね((鼻ほじ))急にすみませんでした。とても面白くて、面白かったです。では、失礼しました。 (2019年5月1日 23時) (レス) id: 121043d8d8 (このIDを非表示/違反報告)
田中 - 突然の支離滅裂な発言で申し訳ありません。次のお話が楽しみでウキウキしてたら、『終わり』って出て悲シマでした…。もしも…もしも…！更新する機会があるのでしたら更新していただきたい所存です。 (2019年5月1日 23時) (レス) id: 121043d8d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あろま | 作成日時：2018年1月29日 0時
