評価100突破記念・続 ページ25
ぐいっ
『い"っ』
「いつまで寝てるつもりだ。いい加減起きろ」
『は…？』
頬を思いっきり捻られて、目が覚めた。見慣れた天井に、朝日が差し込む花柄のカーテン。うん、私の家だ。でも、私の家じゃ決して聞くことのないような声が聞こえた気がするのだが……気のせいか、そんな、私の家に子供なんて、いるわけ、ないし……
「寝んなってば」
『……夢じゃないぃ…』
「まだ寝ぼけてるんか？」
いっそ夢であって欲しかった。
昨日のことを思い出し、昨日の自分を殴りたい衝動に駆られる。何やってるんだ自分。馬鹿なんじゃないの自分。よくよく思い返せばマフィアなんて冗談だろうし、礼金とか子供の口から出るなんて完全に嘘じゃん。
あーーーーーと自棄になっている私を、少年が無表情で淡々とした視線を送り付ける。しかも一緒に寝てたなんて。そりゃ子供をソファとか床に寝させられないし、子供1人ぐらいどうってことないベッドの広さだったし。
名前も知らない、素性も分からない。そんな怪しさで塊の子供と一夜を過ごすって逆にすごいよ昨日の私ぃーーー！！！
取り敢えず体を起して、ベッドから出る。幸い酒を飲んでも後に残らないタイプなので二日酔いはない。少しでも現実逃避をしようとテレビをつけた。
《続いては国際ニュースです。先日、我々国で莫大な爆発事件が起こりました。この映像は、国民たちは国の戦争についての姿勢に批判の声を挙げている様子です。この数時間後に城の内部で爆発が起き、専門家はテロの1種だと考えております》
テレビから爆発音がし、その様子を撮っていた誰だか知らない人の携帯が驚いたように揺れた。小さな四角い枠の向こうが炎と煙に包まれている。
『うわー…すごい』
「こんなんするまで溜め込んでたんやなぁ…」
『えっ、と…何か飲む？』
急に声がしたからびっくりして後ろを振り向くと、サイズの合わないTシャツを着た少年の姿があった。
私の方に目もくれず、視線はテレビに向けられたまま、いらないと首を横に振られる。子供らしからぬ感想と、画面を見つめる目が一瞬、悲しそうに見えたのは気のせいだろうか。
『そう言えば、君の名前を聞いてないんだけど……』
冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに注ぎながら尋ねるも返答はない。集中してアナウンサーの声を聞いている。
《爆弾を所持していた犯人は捕らえましたが、城は一部全焼。怪我人は0名。犯人が狙ったのは総統室と思われ＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっこ(プロフ) - あっ、無理だったら大丈夫です。無理強いしたい訳では無いので (2021年2月23日 20時) (
レス) id: d0b1fc0c65 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - とってもとっても本当に凄く面白かったです。笑いが我慢できませんでした。面白くて面白くて面白すぎて面白すぎたので腹筋崩壊免れませんでした。腹筋崩壊は定められた運命でした。出来たら、出来たらでいいので更新していただきたいです… (2021年2月23日 20時) (レス) id: d0b1fc0c65 (このIDを非表示/違反報告)
マリイラ - やっばいっす…腹筋崩壊しましたあざました。ちょっくら逝ってきますw (2020年7月26日 19時) (レス) id: b495665938 (このIDを非表示/違反報告)
田中 - いろいろ頭おかしかったですね((鼻ほじ))急にすみませんでした。とても面白くて、面白かったです。では、失礼しました。 (2019年5月1日 23時) (レス) id: 121043d8d8 (このIDを非表示/違反報告)
田中 - 突然の支離滅裂な発言で申し訳ありません。次のお話が楽しみでウキウキしてたら、『終わり』って出て悲シマでした…。もしも…もしも…！更新する機会があるのでしたら更新していただきたい所存です。 (2019年5月1日 23時) (レス) id: 121043d8d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あろま | 作成日時：2018年1月29日 0時
