カクテル 29 ページ29
.
「…すき、初めて会った時からずっと好きだよ」
「…初めて、って飲み会?」
「ううん。Aちゃんは覚えてないかも知れないけど、駅で雨に濡れていた俺にハンカチをくれたのが初対面なんだ」
今度返すね、と笑った那須くん
…わたし、それ覚えてる。
確か、ハンカチを渡したのは去年の今頃。当時好きな人といた私は、彼にアピールしたくて濡れていた那須くんに貸しただけのものなのに。
「…ほんと、那須くんは私には勿体ないと思う」
「そんな俺がAちゃんを選んだんだよ、断るなんて選択肢ないよね?」
「…ふふ、そうだね?」
「じ、冗談だから!そんな目で見ないでよ!」
那須くんとあの日、出逢ったのは偶然なんかじゃないのかもね。
溢れる想いを込めてぎゅうっと抱き締め返すと、那須くんもそれに比例して力を強くする。
「じゃあ改めて。俺の彼女になってくれますか?」
「、はい。私を惚れさせたんだから、絶対幸せにしてよね」
「任せてよ、俺といるだけで幸せって言えるようにしてあげるから」
倦怠期なんて来ないかもよ?自信ありげに耳元で呟く。
…こんなに幸せなの、うまれて初めて。
酔った勢いで始まった関係は、綺麗な形で身を結んだ。
「…好きだよ、Aちゃん」
月が雲で隠れる夜中、お互い惹かれあうようにキスをする。
最後に交わしたキスはカシスオレンジのような甘さを含んでいた。
カクテルキス end
.
1975人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「美少年」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mappy(プロフ) - 最後の場面とっても素敵ですね! 思わず二度読んでしまいました (2020年3月21日 23時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
pii27(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!飛貴くんとくっついて欲しいような気もしちゃいます笑! (2019年10月9日 13時) (レス) id: 55d6c8d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 続きが楽しみです! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 4581f1bec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年9月21日 20時