カクテル 18 ページ18
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「…泊まってもいい、ですか」
「ふふ、うん。いいよ」
肩がくっつく距離に座ると、アイスの棒をゴミ箱に投げ捨てた那須くんと顔が近付く。
…うん、やっぱりイケメンだ。
髪のセットも上手いし服装もダサくない、おまけに頭がいい。なんて優良物件。
「Aちゃんはさ、誘ったのが俺じゃなくても家にあげる?」
「ええ?何それ、好きじゃないひとは家にあげないよ」
那須くんの手が背中にまわったと同時、私も首に手を回す。
頭を打たないようにゆっくりと押し倒した那須くんは、ちゅう、と可愛いキスをした。
「んー、…バニラの味だ」
「…Aちゃん、あの日の夜の事覚えてる?」
「あの日…って、飲み会?」
「そう。酷く酔ってたみたいだから」
「ああ…、ごめん、何も覚えてないの」
那須くんとこういう事をするのは2回目なんだろうけど、記憶のない私からすれば1回目。
楽しみだなあ、なんてわくわく。
「そっか。あんまり慣れてないから変な事しちゃったらごめんね、…先謝っとく」
「大丈夫だよ、なんなら私がリードしようか?」
「そ、それは遠慮しとく。色々悲しくなるから」
じゃあ、とリモコンで電気を消して、間接照明だけになった部屋。
お楽しみタイムに突入…!と思いきや。
私の顔の横に手をついた那須くんが、「いたっ!」と声を上げた。
「いって…なんでこんな所に指輪?」
「あ、ごめん?」
指輪を床に置いた覚えはないんだけど…那須くんが間接照明で指輪を照らす。
…待って、その指輪、非常に見覚えがある。
「あれ、…これ、浮所の?」
してやったり顔の飛貴が脳裏に過ぎる。アイツ…。
私を起き上がらせた那須くんは無言で指輪を見つめ続ける。…あーあ、今度こそ終わった。
「…Aちゃん、」
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Mappy(プロフ) - 最後の場面とっても素敵ですね! 思わず二度読んでしまいました (2020年3月21日 23時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
pii27(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!飛貴くんとくっついて欲しいような気もしちゃいます笑! (2019年10月9日 13時) (レス) id: 55d6c8d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 続きが楽しみです! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 4581f1bec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年9月21日 20時