カクテル 02 ページ2
.
…うー、やばい。弱いくせに飲みすぎたかも。
必死に眠気を堪えながら見事に酔っ払ったミサの惚気話を聞いていると、ことん、とグラスの置く音で少し目が覚める。
「ここ、いいですか?」
「あ…どうぞ」
ちら、と左横に座った彼を盗み見る。わ、めちゃくちゃイケメンだ…。ミサがフリーだったら絶対狙ってたと思う。
私の視線に気付いた彼は、困ったように少し微笑んだ。
「俺、顔になんかついてます?」
「ううん、かっこいいなあって」
「はは、そんなに見つめても何も出ませんよ」
お世辞なんかじゃないのになあ。
名前も分からない彼の顔を見つつ、グラスに手を伸ばす。
…あれ、
お酒が喉を通った時に感じた違和感。これ、絶対カシスオレンジじゃない。
なにこれ、度数キツすぎ…。ただでさえ閉じそうになっていた瞼が完璧に落ちてしまいそう。寝ちゃだめだ、帰れなくなっ…ちゃ、う。
「中原さん、俺 那須雄登って言います。よければふたりで抜け出しませんか?」
「那須、くん…」
「栗原さん。中原さん、連れて帰りますね。酔ってるみたいですし…先輩方に聞かれたら帰ったって言っといてください」
「え…うん、わかった」
朦朧とする意識の中、
最後に見えたのは那須くんの青いシャツだった。
.
1973人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「美少年」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mappy(プロフ) - 最後の場面とっても素敵ですね! 思わず二度読んでしまいました (2020年3月21日 23時) (レス) id: dbbbb4e0c8 (このIDを非表示/違反報告)
pii27(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!飛貴くんとくっついて欲しいような気もしちゃいます笑! (2019年10月9日 13時) (レス) id: 55d6c8d2d6 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 続きが楽しみです! (2019年9月23日 9時) (レス) id: 4581f1bec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年9月21日 20時