燦々と 39 ページ39
.
ぽろぽろと止まる様子を見せない涙を涼ちゃんに拭われて、手を引かれて細い路地裏に入った。
｢俺の話、聞いてくれる？｣
｢…うん、｣
あの日のように私の手をゆっくりと絡めとった涼ちゃんは、視線を彷徨わせながら口を開いた。
｢Aちゃんが帰った後、めちゃくちゃ凹んだ。連絡も取れないし、藤井に聞いても知らないって言われるし。｣
｢ごめ、…｣
｢最後まで聞いて？｣
謝ろうとすると、口にしい、と涼ちゃんの人差し指をあてがわれる。
ゆっくりと唇をなぞるように動かされた手に脳がぴりぴりと痺れる感覚。
｢ずっとずーっと忘れらんなくて、会いたくて仕方なかった。バイク乗ってる時も腰に回る手が無いのが寂しくてさあ…、｣
｢ちょっと言うの恥ずかしいけど、今のAちゃんみたいに泣いちゃったんだよね｣
あーやば！恥ず！と照れ笑いを浮かべた涼ちゃんは繋いでいた手を離して私の体を覆うように抱き締めた。
ドクドクとうるさい心臓が直に伝わってきて、でもそれが何故か心地好くて。
｢そしたら藤井に言われたんだ、メソメソしてても仕方ないじゃん、って。だから俺猛勉強した！Aちゃんに会うには上京するしかないって思ったから｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1058人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蕎麦リアン(プロフ) - ありがとうございます！嬉しいです、、紅一点系はもう占ツクでは書く予定ないです、すみません(´･_･`)Twitterでちまちま書いていけたらなあって感じです。 (2020年2月15日 17時) (
レス) id: 23fbb8caff (このIDを非表示/違反報告)
みる - またハイハイやキンプリの紅一点モノを書くご予定はありますか…？蕎麦リアンさんの紅一点、大好きなのでまた書いて欲しいです！(;o;) (2020年2月14日 18時) (レス) id: eb3522528a (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦リアン(プロフ) - 未彩さん» ありがとうございます…！ちまちま更新ですが最後までお付き合いください(;_;) (2019年8月25日 19時) (レス) id: 23fbb8caff (このIDを非表示/違反報告)
未彩(プロフ) - このお話、大好きです！更新頑張ってください！ (2019年8月20日 0時) (レス) id: 12bfb39f46 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦リアン(プロフ) - ゆとぴさん» コメントありがとうございます〜！(; ;) ノロマ更新ですがちまちま頑張ります！ (2019年7月24日 2時) (レス) id: ef034c0120 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蕎麦リアン
| 作成日時：2019年6月22日 20時
