episode 16 ページ16
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「…一条くん?」
「っ、松本、サン」
膝がぱっくり開いたダメージスキニー、白Tに小ぶりなネックレス。靴は家にあったやつを適当に。こういう格好の人、よくいるでしょ?
髪もいつも以上に気合を入れてセットしてきた。
…あと必要なのは、心の準備だけ。
遊園地の前での待ち合わせ、
時計の針が約束の時間から少し過ぎた頃、彼女は姿を見せた。
「この前はごめんね?誤解しちゃって…あの子から聞いたの、あれは冗談だって」
「あの子、って…?」
「名前はわかんなくて…え、と。バンドのボーカルやってた子!」
「ああ…え!?五島!?」
あの五島が俺の為に弁解してくれるなんて…ちょっとだけしんみり。
「じゃあ…行きます、か」
2枚あるうちの1枚を差し出すと、受け取ったAちゃんはたちまち笑顔になった。
貯金は減ったけどいいんだよ、この笑顔が見れるなら。実質タダ。
「一条くん、チケット買ってくれたの?ありがとう!」
「い、いや…全然」
「ふふ、緊張しないで?ねっ、私 今日の為におしゃれしてきたんだよ」
くるんっとその場で1周したAちゃんはスカートを翻してにっこりと笑った。
…あ、これ、やばい。好きだ。……香水の匂いに目眩がしそう、
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桜麗 - 応援してます! (2019年9月1日 23時) (レス) id: bc8c92629a (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦リアン(プロフ) - 桜麗さん» ありがとうございます…!のろま更新ですがちまちまがんばります! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 23fbb8caff (このIDを非表示/違反報告)
桜麗 - 面白かったです!大変だとは思いますが頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: bc8c92629a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年8月25日 19時