episode 12 ページ12
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「えっと…」
スマホと俺を交互に見て言葉に詰まるAちゃん。
手を離そうにも五島が力を入れていて離せない。おい!と抵抗するも一向に緩む気配はない。…いや、ほんとに、違うんです。
久々に会えたと言うのにこんなのはあんまりだ。酷すぎる。過去の俺、腐女子に媚びようと言ったのを心底反省すればいい。
「まっ、松本さん!これは違くて!っ離せよ五島!」
「あ?てめえの恋愛より俺の腐女子人気優先だ」
「ふっざけんな!!」
思い切り肩を押すと、やっと解放された手。
きゃあっと腐女子の声が聞こえるが、俺の全神経はAちゃんに注がれている。
な、なんて言うのが正解だ……?
「…仲、いいんだね」
「!」
違う、違うんです。首を横に振って全否定。
勘違いしないでほしい、俺は女が好きだ。もっと言うとAちゃんが好きだ。
なんなら今すぐ付き合いたい。
「じゃあ、またね。…お幸せに?」
踵を返して来た道を戻ろうとするAちゃんの腕を咄嗟に掴む。
どきどきして心臓がうるさいけど、きっとAちゃんは誤解したままだ。お幸せに、とか普通言わねえもん。
「…ぁ、明日!暇なら、会ってほしい、です…」
出すにつれて段々小さくなる声。
俺の勇気100%、キミに届いてますか。
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桜麗 - 応援してます! (2019年9月1日 23時) (レス) id: bc8c92629a (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦リアン(プロフ) - 桜麗さん» ありがとうございます…!のろま更新ですがちまちまがんばります! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 23fbb8caff (このIDを非表示/違反報告)
桜麗 - 面白かったです!大変だとは思いますが頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: bc8c92629a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年8月25日 19時