番外編 : 優斗先輩の野球講座？ 01 ページ36
.
交際を始めて 一週間くらい、
かっこいい所を見てもらうべく 俺が選んだデート先はバッティングセンターだ。
カキン、といい音を立てて打ち込まれたボールはネットに吸い込まれる。
…うん、久し振りにやったけどこんなもんかな。
｢優斗先輩 凄いですね…私なんて掠りもしないです｣
｢へへ… あ！教えてあげよっか！｣
今いる所を出て、え？と戸惑うAちゃんのスペースにお邪魔する。
俺なら軽々持てるバットもAちゃんの細い腕じゃ少し重たそうだ。
｢まず持ち方だよね… えっと、こうして｣
｢こうですか？｣
｢もうちょい下！｣
漫画なら後ろから抱え込んで…とかあるんだろうけど、生憎俺にそんな勇気はない。
ちょくちょく手を触ってみたりするけどAちゃんは当てる事に夢中で気にもとめない。バットに負けるとか！なんなの！？
その時、ちょうどカラスが鳴く。それが｢あほぅ｣ と言ってるように聞こえて空をひと睨み。誰がアホだ。
｢優斗先輩、余所見しないで。ちゃんと教えてください｣
｢余所見しないでとかかわい… 俺に任せて！｣
｢…もう。｣
｢目指せホームラン！｣
｢無理です！｣
無理？…無理か。
そんな俺達のやり取りを見て、隣のブースのおじいさんが ｢ラブラブだねぇ｣と声を掛けてきた。傍から見ても分かるくらいニヤニヤが止まらない様子。
｢ゆ、優斗先輩… 今の体勢見て｣
え？ と首を傾げると、とんでもない体勢になっていた事に気付く。
なんとも大胆な事に、ある程度保っていた距離は0cmになっていた。
、これはだめだ！バッティングセンターでイチャつくとか俺が外野ならむかついちゃう！
両手を浮かして、くっ付いていた体を離す。
｢えと、…ごめん？｣
｢…別に 嫌じゃないです。むしろ落ち着いて言い出せませんでした｣
｢気付いてたの！？言ってよ！！｣
しかも落ち着くって何…そんなん、ずるい。
空で またカラスが ｢あほぅ｣ と鳴いた。
優斗先輩の野球講座? end
.
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←番外編 : 那須のお願い 02
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蕎麦リアン(プロフ) - 六ノ神さん» ありがとうございます〜…！嬉しいです(; ;) 次もきゅんきゅんをお届けできるように頑張ります〜！ (2019年6月21日 22時) (
レス) id: ef034c0120 (このIDを非表示/違反報告)
六ノ神(プロフ) - 小説お疲れ様でした！めちゃめちゃキュンキュンして、面白かったです！他の小説もちょくちょく読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2019年6月21日 19時) (レス) id: b1e03a8962 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦リアン(プロフ) - きょんさん» ありがとうございます〜〜！不憫さを感じ取ってもらえてよかったです（笑） (2019年6月12日 1時) (レス) id: ef034c0120 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 主人公に苦戦してる優斗くんがホントの優斗くんみたいで大好きです！不憫優斗くんサイコ〜！ (2019年6月11日 16時) (レス) id: 3f81005494 (このIDを非表示/違反報告)
蕎麦リアン(プロフ) - *AYA*さん» ありがとうございます〜！これからもドキドキしてもらえるように頑張ります、ぜひ最後までお見守りください（笑） (2019年6月2日 2時) (レス) id: ef034c0120 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蕎麦リアン
| 作成日時：2019年5月9日 21時
