□ 拡声器で愛を叫ぶ【K.Y】

…（K視点） ページ47

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｢乱暴は良くないで。｣

｢…ゲッ｣

｢紫耀と廉じゃん。何買ったの？寄越せ！｣

｢うわっ買い物袋見つかった｣

｢取れるもんなら取ってみやがれ｣







俺、一気に空気になりました


後ろから声を掛けてきたふたりに Aちゃんは駆け寄って行った。





幼馴染み＞彼氏

まあ、とやかく言って 心狭いなコイツとか思われたくないからね。空気に徹します。




永瀬が買い物袋を上にあげていて、必死に手を伸ばすAちゃん

可愛いけど 折角のふたりの時間が…。








｢なあ、岸くん。ちゃんと付き合った？｣

｢おわっ。…ああ、うん。もうラブラブだよ、うん｣




突然声をかけてきた平野くん

何かと思えばそんな事…、
俺達 ラブラブだよね？え、違う？








｢ふぅん、俺は振られた。｣


｢恋に一緒に過ごした時間って関係ないねんなぁ。

俺、 岸くん嫌いや｣






先を歩く 永瀬とAちゃんの少し後ろを、平野くんと歩く


低く、重みのある平野くんの声が心に刺さる。


続けて、





｢もうズッタボロのこてんぱんにされたわ｣


｢岸くんがおらんかったら…とか考えたけど、結局 俺はAと付き合えへんかったと思うねんな｣


｢俺を見る目と岸くんを見る目、ぜんっぜん違うもん｣








眉を下げて そう言った平野くんは、心做しか 目が赤かった気がした。








気がする、だけ。







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