□ 拡声器で愛を叫ぶ【K.Y】

… ページ38

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｢そしたらな、紫耀が＿＿＿｣

｢あれは廉が驚かすからやん！｣







どうでもいいので帰って下さい

横で言い合いをするふたりを横目で見る。









…あれ、てか 私なんでそんな事思ってるんだろう


今までは 帰れと言いつつ、その場を楽しんでたのに。








…まさか、ね。


ストローを離し、顔を上げ 岸を見ると

きょとんと 私を見ていた。…間抜けな顔。





…よし、






｢？｣

｢岸、帰ろっか｣

｢え、でも…｣


｢は？何言っとん。あかんで｣

｢Aが帰るんやったら俺らも帰る｣



｢うるさい、いいから退け。出れない｣

｢やから無理！｣





私の発言により

わいわいと動き出すふたりを じっと見詰めて、その 横顔に声を掛ける。









｢…私の事を想うなら、言う事聞いて。｣






ピタッと動きが止まったふたり

岸には聞こえてないから、よくわかっていないみたい。






最初に動きを見せたのは 紫耀だった。




｢廉、これからカラオケでも行く？｣

｢は？何言って｣

｢ん！Aと岸くんは帰ってええよ｣

｢紫耀、お前｣

｢あっ夜 家行くから！お金も払っとくわ！｣









幼馴染みだから、分かるよ。
紫耀の笑顔 引き攣ってる






なんか、ごめん

こう言ったら 退いてくれるって分かってて言った。紫耀の弱味に付け込んだ。





私狡いよね






岸の手を引いて 店を出た。




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