□ 拡声器で愛を叫ぶ【K.Y】

… ページ35

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《 次はぎゅーっと抱きしめてみてね！ 》



…むりだろ！






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ハートやらピースやら、

モデルのポーズを真似しながら 撮っていく。


ぎこちないながらも 岸の写りは最高だった。盛れすぎて最早女子。



そして最後の１枚

上のような音声が流れた。



｢ぎゅ、ぎゅーー！？？｣

｢…厳しいよね、スルーしよ｣

｢…いや、男として逃げるわけにはいかない｣






おい、謎のプライドを持つな。

今すぐ捨ててしまえ。



目を瞑りながら 手を広げて待つ岸

既にカウントダウンが始まっていて、迷っている暇はない。






｢…失礼しまっす｣




ひと声かけて、岸の胸の中に飛び込んだ。


その瞬間 切られたシャッター

モニターに映し出された私と岸の顔は うっすらと赤く染まっていた。


…こんなの慣れてないし 照れるのもしょうがない、うん。








｢岸、落書きコーナー右だって。行こ｣


｢…もう思い残す事ねぇわ｣


｢……馬鹿じゃないの｣





ハグの余韻に浸る岸を置いて 落書きコーナーに移動する。









…なんか、岸といると調子狂う。

海人とハグした時は何も感じないのに。






盛れに盛れた 岸に腹が立ったので、おでこに 肉 と描いてやった。









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