□ 拡声器で愛を叫ぶ【K.Y】

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｢A〜！｣

｢…うっ、くるし…｣

｢もーはよ離れぇや｣




家に帰ると案の定 紫耀がいた

だと思ったよもう。だから廉も私の家に直行なんでしょ。




骨がギシギシ言うほど 強く抱き締められて、苦しい

くそゴリラめ、変わってないなあ。





｢ずっとふたりに会いたかってん！廉とは連絡取ってたから特にA！｣

｢はいはい、私も〜｣

｢久しぶりにババ抜きでもする？｣

｢でた、Aが勝つまで終われへんやつや｣

｢もうそんな子供じゃないから！｣









ばか２人を置いて 制服を着替えに２階へ上がる


スマホを開くと 新着メッセージが４件


３件は神宮寺からで、あと１件は岸から




《 ぐうじさんから聞いた。岸です、よろしく 》





律儀だなあ…


榎本です、よろしくとだけ返して スマホを閉じた



部屋着に着替えて 二人の待つリビングへ

お母さんは夕飯の買い物に出掛けてるから、思いっきり騒げる。やっふー。









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バーンとドアを開く


すると 並んでソファに座り、ふたりでアルバムを眺めているのが目に入った。





｢ババ抜きしよー…ってなにしてんの？｣

｢アルバム鑑賞会！Aもおいで〜｣

｢ほら、定位置｣

｢…しょーがないなー｣




ふたりの間に入って

アルバムを捲る。






そこには 私達の赤ちゃんの時からの思い出が詰まっている。


どの写真も、今と変わらず ふたりの間には私がいて…








｢！このA可愛い〜｣

｢遠足行って迷子なった時やん｣

｢俺らが見つけた時泣きじゃくってもんな｣

｢懐かし〜…｣







たまには、こういうのもいいかも知れない



感じていた気まずさは いつの間にか何処かへ消えた


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