□ 拡声器で愛を叫ぶ【K.Y】

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｢そろそろ行くか！｣






私が食べ終わる頃には

辺りは真っ暗になっていた



席を立って お会計の列に並ぶ


…こんなにお客さんいたっけ。









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｢＿＿＿＿以上でお会計1600円になります！｣



｢…４００円足りねぇ。｣

｢…いいよ、自分の分出すから｣

｢また今度！奢るから！｣




…格好悪過ぎる。

私達のやり取りに 苦笑いの店員さんは、レシートと一緒にクーポン券をくれた。




｢岸、いる？｣

｢お前いらねーの？｣

｢蕎麦あんまり食べない｣

｢じゃあ貰っとく｣






ほい、とクーポンを渡して 財布を仕舞う。




暑くなってきたねーなんて雑談を挟みながら歩く。

どうやら、家まで送ってくれるみたいだ。









すると
突如 ぎゅっと握られた手

吃驚して思わず振り払う。






｢おまっなんで振り払うんだよ！｣

｢いや、吃驚して…てか顔真っ赤じゃん。ピュアかよ｣

｢俺の精一杯の勇気をお前は振り払った｣

｢ごめんて｣

｢…嫌だったんなら、ごめん｣

｢…謝らないでよ、悪い事した気分になるじゃん｣






なにこの空気



嫌ではないけど、まだ早いと思う。なんせ まだ知り合って１日






ちょっと、抵抗あるじゃん、

でも 誠実な岸は嫌いじゃないよ、なんて。







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