ビラヴド 【Mizuki.i】

最愛の 16 ページ17

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｢あの…、そろそろ戻らなきゃ｣



｢いいじゃん、もっとお話しよーよ｣

｢そうそう。たまには井上達以外の男を試してみてもいんじゃね？｣









無理やり腕を引っ張られて、ジュースが音を立てて床に落ちた。








…もう、めんどくさい。

最初は穏やかに話していたのに、今では目の前の男の子達はにやにやと馬鹿にしたように笑っている。




先生に呼ばれてたとか、嘘じゃんか。


…信じて着いてきた私が馬鹿みたい。
これもきっと、奥田さんの差し金で。







一歩後ろに下がると、男の子達も合わせるように近寄ってきた。

下心が見え透いて、心底気持ち悪い。









｢どうせ井上とただの幼馴染みとか嘘っしょ？｣


｢やらし〜事してんじゃないの｣



｢…そんなわけないでしょ、｣


｢噂になってるよ、そーいう関係だって｣









瑞稀はそんな人じゃないのに、

悔しくって視界が滲んだ。






瑞稀が私に手を出してきた事なんてないし いつだって私を守ってくれた。

なのに、何も知らない人にそんなことを言われるなんて。









｢やめてっ、触んないでよ｣


｢だいじょーぶ、乱暴にはしないからさ｣


｢っ、｣









──── 一か八か、



｢瑞稀！｣









叫んだ私の口をひとりが抑えて、



もうひとりの手がシャツのボタンに掛かりそうになった刹那、

── 私のヒーローが現れた。







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