09 ページ9
.
「ま、待って右足からだよね?」
「うん!そうだよ」
ジリジリと肌を焦がすような暑さ、夏は日が長いから嫌になる。
心の中で文句が耐えない私は、浮所くんに連れ出され裏庭で二人三脚の練習をしていた。
私の歩幅に浮所くんが合わせてくれていて、いくらやってもスピードが出ない。
「浮所く〜ん…」
「帰りにコンビニでアイス買ってあげるからもう少し頑張ろう?どうせやるなら1位目指そうよ!」
「頑張る!ガリガリ君の為に!」
「ははっ、素直過ぎ!」
よし、と気合いを入れ直し、浮所くんの肩に手を回す。
ネクタイで括られた足を踏み出そうとしたその時…───、
「、わっ…!」
タイミングが合わず、体勢を崩す。
咄嗟に浮所くんに抱き着くと、すぐに意外とがっしりした腕に支えられて転倒を免れた。本番前に怪我は洒落になんない…。
「浮所くん、ごめんね。もう一回やろ!
……浮所くん?おーい?」
「あ…え?」
「うわ、汗凄いよ…?やっぱり休憩しよっか。水買ってくるね」
.
「自販機遠かった〜 って、え…」
2本の水を手に持って裏庭に戻ると、浮所くんは跡形もなくいなくなっていた。
…なんで?!
.
1851人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎 - お話とても面白いです!! はしみず担なのでここまで一気読みしちゃいました笑 お話更新して下さるの待ってます!! (2020年10月13日 23時) (レス) id: 3066a90994 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年7月24日 19時