検索窓
今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:233,198 hit

27 ページ27




「そこ座っといて」

「うん、」





保健室に着くと、先生はいなくて。
独特の消毒液の匂いがつん、と鼻につく。

言われた通り丸椅子に腰掛けてくるくるってまわってみたり。
慣れた手つきで消毒液を出す瑞稀は躊躇うことなくドバっと膝にぶちまけた。








「い、った!!」


「浮所にはもう近付くな」


「…なんで、?」






どうして、瑞稀にそんな事言われなきゃいけないんだろう。


私の事、なんとも思ってないくせに。家族じゃない…って言われたのはちょっと、いやかなりショックだったけど。

脳裏によぎった涼ちゃんが手を振り上げるシーンをかき消すように、首を振った。








「俺らの言うこと聞けないの?」


「どうして制限されなきゃいけないの?なら、怒る前にさっきの事を説明してよ」


「あれは…、」






今までは瑞稀達の言う事は極力聞いてきた。そうすれば、間違いないんだって。

でも、浮所くんの事は納得できない。先に手を挙げたのはそっちでしょ?



絶対に言い負かされるもんか、
瑞稀の目をじっと見つめ返して、返事を待った。








「、俺らの言うこと聞けないなら家出てけば?」


「…本気で言ってるの?」


「…うん、俺は止めないよ」


「あっそ、…分かった。」







頑なに本当の事を言おうとしない瑞稀、

頬を伝う涙をいつもは拭ってくれるのに、私と目を合わせようともしない。




少なくとも、私は皆のこと家族以上に大事な人だって、そう思ってたのに。

ズキズキ痛む足で保健室を出た。









28→←26



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (466 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1851人がお気に入り
設定タグ:HiHiJets , 美少年
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

林檎 - お話とても面白いです!! はしみず担なのでここまで一気読みしちゃいました笑 お話更新して下さるの待ってます!! (2020年10月13日 23時) (レス) id: 3066a90994 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年7月24日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。