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ピストルの音が鳴って 浮所くんに引っ張られる形で走り出す。

そもそも運動神経が悪すぎる私が運動神経抜群の浮所くんと組むのが大きな間違いで。



初っ端からバランスを崩して足が縺れそうになる。






「、いける?」

「う、ん…」






なんて、強がって地面を踏み締めた数秒後。

自分の足に自分で引っ掛かって 顔面が地面とごっつんこした。浮所くんは寸前で踏ん張ったらしく、慌てて私を抱き起こす。


痛い…うう、盛大に擦りむいた膝からは血が流れ出る。







「だ、大丈夫!?保健室、」

「うん…」





足に巻かれたハチマキを外して、浮所くんに肩を支えられて歩きだそうとしたその時。



「__っA、行くよ」

「…え?」






突如目の前に飛び出してきた瑞稀に いわゆるお姫様抱っこ、をされて 体が浮き上がる。

、なんでいるの!?テントの方を見ると 優斗がグッ!と親指を立てていた。いやいや、え?




…瑞稀、意外と力あるんだ。
不覚にもどきっとして、顔を直視できない。








「…井上先輩。ここは卒業生が出てきていい所じゃないですよ」


「は?元生徒会長に舐めた口聞いてくんな。どの立場から物言ってんの?」


「こわーい!さぞかし現役の時も今みたいに職権乱用してたんでしょうね」







…浮所くん?
いつもの笑顔は何処へやら、挑発するように口元に手を当てて笑う。

なんだか少し怖くて、瑞稀のシャツを握り締めた。







「…お前に構ってる暇ないから」


「…俺、諦めません。Aちゃんをあの家には置いておけない」


「勝手にすれば?A、ちゃんと掴まっててね」






最後に浮所くんを一瞥した瑞稀はそのまま歩き出す。

あの、今気付いたんだけど めちゃくちゃ注目されてる…恥ずか死ぬ…。中にはスマホで写真を撮ってる人まで。






怪我をしてるから 降ろして、なんて言えなくて。
結局 瑞稀の腕の中から解放されたのは保健室についてからだった。







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林檎 - お話とても面白いです!! はしみず担なのでここまで一気読みしちゃいました笑 お話更新して下さるの待ってます!! (2020年10月13日 23時) (レス) id: 3066a90994 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年7月24日 19時

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