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「っ、」

「大体、贅沢なんですよ。先輩達は。OBの優斗先輩だってそうだ。…家族でも何でもないんでしょ?なら引っ込んでて下さいよ」








これは、…どういう事なの?
大昇くんの方を見ると、分かりやすく目を逸らされる。そして、浮所くんは私に軽く手招きをした。



曲がり角から一歩出ると、

振り返った瑞稀と涼ちゃんの目が私を捉える。すっと目が見開かれて、慌ててるのがとって分かる。









「A、いつからいたの」

「…ふざけんな、って所から。勝手に聞いて、ごめん」



「A…、」







私に触れようと伸びてきた涼ちゃんの手を、咄嗟に避ける。

…あれ、どうして、こんなに怖いんだろう。手の甲に血がついてるから?…それとも、家族じゃないって言われたから?









「、なんで避けんだよ」


「分かんない、…涼ちゃんにとって私は、あれだけ一緒にいて、ずうっと一緒に住んでるのに、家族でもなんでもないんだね」


「違うんだよ、ちゃんと聞いて?」


「やだよ。…そんなの、聞きたくない。瑞稀もそう思ってたの?」


「待って、Aは誤解して…」









瑞稀が何かを言おうと口を開いた時、二人三脚の集合がかかる。

浮所くんが起き上がって、ぱんぱんっとホコリを落とした。








「よし、Aちゃん行こっ。」

「うん…浮所くん、ほっぺ大丈夫?涼がごめんね、」


「ううん、いいんだよ。俺が何か気に障ること言っちゃったのかもしれないし…」







「…おい、」

「触んないで!…最低だよ、暴力振るうなんて」









…ああ、やんなっちゃうなあ。

楽しい体育祭のはずなのに、あんなにも楽しみにしていたのに。浮所くんに手を引かれながら、ふたりの顔を振り切るように集合場所のテントへと向かった。



振り返る勇気は、ない。



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林檎 - お話とても面白いです!! はしみず担なのでここまで一気読みしちゃいました笑 お話更新して下さるの待ってます!! (2020年10月13日 23時) (レス) id: 3066a90994 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蕎麦リアン | 作成日時:2019年7月24日 19時

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