□ 次世代型ローラー少女

Σ 不本意にも ページ7

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｢はす〜？(名前)〜？はっすん？｣

｢なあに、龍我｣



｢そのキャップ可愛いね！｣

｢そう？間違えて欲しい色じゃないの買っちゃったんだよね…｣

｢めちゃくちゃ可愛いよ！その色！｣









にこにこと、隣で笑う 龍我

やけにキャップを褒めるなあ、と思って話を聞くと、龍我の好きなブランドの物らしい。








｢そういえば 俺、誕プレ貰ってないな〜｣

｢…えっ、なに｣


｢いやあ？はすから貰ってないなと思って。俺はあげたのに｣

｢めっちゃ狙ってるじゃん このキャップ｣

｢はは、ばれた！｣









そんなに可愛いかな…、

キャップを脱いで、そのまま龍我の頭に被せる。




元々間違って買ったやつだし それなら気に入ってくれた人にあげた方が帽子も幸せだよね。

誕プレあげてないの事実だし 笑









｢ほんとにいいの？｣

｢いいよ、その代わりちゃんと被ってね？｣


｢うん！｣









さっそく 鏡を見て被り直す龍我

似合ってる？とそわそわしている姿がなんとも可愛らしい。ファンの人がみたら卒倒しちゃうかも…ってレベル。









｢那須に自慢してくる！｣

｢龍我可愛いねぇ、いってらっしゃい！｣









楽屋を飛び出して行った龍我

… と思ったら、ドア前で急に踵を返し、私にぐっと顔を近付けた。









あまりの近さに顔を背けると、頬を掴み戻される。でも、その手は乱暴じゃなくて。

せめてもの反抗で 目は合わせないように龍我の首を見つめる。









｢可愛いじゃなくて…かっこいい、だよね？｣


｢う、うん。かっこいい｣


｢…ふふ。那須どこにいるかなあ？｣









一瞬でほわほわした雰囲気に戻り 楽屋を出ていく龍我








…やられた感半端ない、悔しい。

不本意にも赤くなった頬を冷ますように 舞台裏の扇風機をつけた。








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