言うこと聞きなさい！5【梅原裕一郎】〜完結〜

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ホテルに戻るとタイミングがいいのか悪いのか裕から電話があった
昨日から何十件も電話とメッセージがあったがずっと無視していた。けどもう無視はできない、しない。



貴方「もしもし」

梅原『！A、今どこにいる？』

貴方「ずっと無視してごめんなさい」

梅原『そんなのいいから、今どこ？どこのホテルに泊まってんの』

貴方「…言わないよ。言ったら来るでしょう？」

梅原『行くに決まってんだろ』



迷いなく答える裕に気づかれないようにクスッと笑った
裕ならきっとそう言うと思った。だから電話に出たんだ
ずっと無視していても電話に出るまで続けると思ったから



貴方「ダメだよ。もう裕とは会わない」

梅原『…なんで』

貴方「会っちゃダメなの。私は裕の傍にいちゃダメなの…貴方のファンを裏切ったから」

梅原『Aが悪いんじゃない。俺が』

貴方「ごめんね裕。迷惑かけて…本当にごめんなさい」



今にも涙が出そうだったが堪える為に唇を噛み締めた
今泣けば裕を苦しめるだけだ、堪えろ。



梅原『…どこにいるか教えろよ。ちゃんと会って話そう』

貴方「…ごめんね」



それだけ伝え一方的に電話を切った
それと同時に今までにないくらいの涙を零した

ごめん、ごめんね裕…勝手なことばかりして
でもこうでもしないと貴方はきっと私を離してくれない。
いつも真正面から愛をぶつけてくれていたからわかるんだ



貴方「裕…大好き…っ」



初めて会った時から今日までの日々を脳裏に浮かべては涙を流し続けた

ありがとう。私の事を好きになってくれて。
裕は俺ばっかり、なんて言ってたけどそんな事ないんだよ。
私は裕が思っている以上に裕の事が大好きで自分でもビックリするくらい夢中になってた
本当にありがとう。さようなら



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