: 各駅 ページ3
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｢ だいぶ歩きましたし、座れてよかったですね ！｣
『 …ですね、！ これからしばらく乗りますし 』
二人の間に流れる絶妙な空気。
今日で3回目のデート。未だに慣れないこの感じ。
こういう時に限って誰も電車に乗っていない。
夜も遅くなってきたし、仕方ないんだけど…
｢『 あの、』｣
重苦しい空気を打開しようと 口を開いた時タイミング悪く
2人とも重なってしまった。
｢ ごめん、笑 どうでもいい話だから先どうぞ ｣
『 いや、今日楽しかったなって 男の人と出かけるとか…
あまりないのでいつも新鮮で嬉しいです 』
そう言うと彼は少し顔を背けて 軽く咳払いをした。
｢ ぼ、僕もすごく楽しかったです！ Aちゃんと
一緒に居るとすごく心が落ち着くというか嫌なこと忘れられるって言うか… 笑顔が可愛くて、 ｣
言ってしまったと言わんばかりのハッとした顔で
あからさまにあたふたし始めるそうまくん。
それと同時に私の顔も熱くなってきて 心臓が早くなる。
意味わかんないくらい、ドキドキして。
｢ ち、ちちがう！違くて！その…可愛いとか急に言われても困るよね、ごめんなさい あっでもなんて言うか…可愛いって思ってるのはホントで ｣
『 ふふふっ笑 なんですかそれ、！笑 』
デート中、彼はさらっと私をリードして 爽やかで
かっこよく振舞っていたのに、今じゃこんなに慌ててる。
その姿がなんか可愛くて愛おしくて 可笑しくて。
気が抜けて思わず笑ってしまった。
｢ Aちゃんの笑った顔やっぱり可愛い、、です ｣
『 やめてください、すぐそうやって可愛いとか…いうの
変に期待しちゃうので、、、！ 』
そういった後少しだけ 沈黙が流れる。
｢ その期待、本気にしてもいい？ ｣
少しだけ潤んだ瞳とは裏腹に 真剣な眼差し。
心擽られるような感覚に頭が追いつかない。
『 そうまくんなら、…そうまくんじゃなきゃ嫌です 』
少しずつ近づく手。
緊張して少し震える私の手を 優しくぎゅっと握る。
｢ っあ〜もう、、本当に可愛すぎて無理…心臓が… ｣
『 ずるいです、そういうのすぐ言っちゃうとこ 』
｢ いやだって、ほんとなんだもん 心臓の音聞く！？ ｣
『 それは、大丈夫です…笑 』
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｢ あの時、Aめっっちゃあわあわしてて可愛かったなぁ ｣
『 ほんっとに思い出したくない、恥ずかしいから！！ 』
｢ んもう…可愛いねえほんとに ｣
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作者名：水瀬 | 作成日時：2022年3月4日 20時
