月の上の景色 [短編集]

: 心配 ＜ s.m ページ10

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雨の降る音を聞きながら 私は途方に暮れていた。



今日天気予報雨じゃなかったのに..
もちろん、傘なんて持ってきているはずがない




「 傘持ってきてよかったね〜 」

「 ね、置き傘便利〜 」


仕事終わり、私の真横を通り過ぎる 同僚の声。


知ってる、置き傘がどれほど便利なのか
めちゃくちゃ分かる！！！


でも昨日 最近晴れ続きだからって
傘を家に置いてきたのが今ここにいる原因。




どうしよう、、盛山さん お仕事だろうし..
電話したら迷惑かな。。




意を決して 鞄で頭を守りながら
近くの駅まで走る。




「 A！？ 傘は！？ 」



しばらく走っていると、突然名前を呼ばれ 振り返ると、盛山さんがびっくりした顔でこちらを見ていた。



『 も、盛山さんお仕事は…！？ 』




「 …っ、とりあえずこっち入って！ 」




肩を掴まれ 勢いよく傘の中に引き寄せられた。



って、盛山さんってバレたらどうしよう…
ここ人通り多いし 見た目、特徴的っていうか..




『 私濡れてるからあんまりくっつくと盛山さん、 』




「 ええから、黙って付いてきて 」




言われるがまま向かった先は 盛山さんの家。


すぐお風呂に放り込まれ 盛山さんに服を借りた。

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